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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2022-11-01-Tuesday ルスツリゾート

帯広のマジック・ミュージアムを

移転させることを何度かこのブログに書いてきたが・・・。

今日、北海道虻田郡留寿都村にあるルスツリゾートを運営する加森観光㈱との間に「一括無償譲渡」の契約書に署名捺印をした。

これまでは、「北海道内のとある観光企業」とだけ書いてきたが、今日からは正式に「ルスツリゾート」と公表することが出来る。

いよいよ今月の7日から、展示品や什器備品の類までのすべてを搬出開始である。すべての物品の搬出にはおおよそ1ヵ月間を要する予定である。半世紀以上の年月を掛けて蒐集し、9年間も掛けてコツコツと一人だけで展示したものを、大勢の人数が携わるといっても、たったの1ヵ月間で、そのすべてを移転させるのである。そう考えると何だか寂しいなぁ。

留寿都村は、羊蹄山や洞爺湖などが近くにある村である。外国人らが注目するリゾートの「ニセコ」町からは車で30分ほどのすぐ隣村である。

留寿都村へ行くには自動車で行くしかないのだが、札幌市からは約90分、新千歳空港からも約90分、苫小牧市からも約90分の距離にある。

帯広市からは車でまっすぐにルスツに行けば約220分ほどであろうか?(まだ車で行ったことがないから正確な時間は分からない)

前回、ルスツリゾートを見学で訪れた時には、帯広駅から列車で札幌駅まで約150分、札幌駅前から車で約90分掛かったから、約4時間は掛かる計算だ。

帯広から遠いことが難点ではあるが、「マジック界」にとっては、日本唯一のマジック・ミュージアムは、ルスツリゾートにあった方が、坂本ビルにあるよりは数段将来性が感じられる。

ルスツリゾートへの移転を決めた決定打になったのは、何と言っても、全国各地から、小学生、中学生、高校生の修学旅行生が大勢集まって来ているという点であった。

ルスツリゾート施設は「オールインクルシーブ」である。事前に一括前払いしておき、その都度ごとには入館料や利用料などを支払う必要が無い。

だから、マジック・ミュージアムにも「無料」で入館出来るわけだ。

ちなみに、我がマジック・ミュージアムでは入館料として一人500円を徴収していたが、そのお金をいちいち財布を開いて支払う必要がなくなるのだ。

これには心理的にも大きな効果がある。入館に対する抵抗感や躊躇が無くなるのだ。

ルスツリゾートを訪れた学生等が、ドンドンと入館してくれることになるであろう。

若い世代が「マジック」に触れてくれる機会が増える。これはマジック界においては、願ってもないことである。年間何万人もの来場者がいる中で、その内の何人かがマジックに興味を持ってくれる可能性が出てきたのだ。

だからこそ、これまでの様なゴチャゴチャとした展示の仕方はよろしくないだろう。スッキリと観易くしなければならないだろうし、またモニターを多数設置して、映像を多用した説明や紹介の方法を模索したいと考えている。

加森オーナーが私に語ってくれたルスツリゾートの将来構想が実現するならば、世界中からマジシャンを集める「マジック・コンベンション」の開催も夢ではない。

当初、私の心の中では、54年間も掛けて蒐集した貴重なマジック関係資料数万点を無料で帯広から離れた場所に移転させるのは、この上もなく淋しいことであったのだが、しかし、今では逆に、ルスツに移転させた方がマジック界に貢献できるのではないかと思うようになってきたのである。

ルスツリゾートに譲ることが、私のコレクションを一番活用できる方法ではないかと思ったのである。

先月の初旬に初めてルスツリゾートを訪問して施設を拝見した時に、その壮大さにすっかり圧倒されてしまった。

留寿都村の隣町であるニセコ町は、外国人によるコンドミ二アムなどの開発や建設などで盛にマスコミにも注目されている場所である。ニセコの将来性を熱弁する経済人も多いのだが・・・。が、私の目には、ニセコ町よりもルスツの方が魅力的に映ったのである。

その理由の一つは、ニセコは各国人、各社がそれぞれバラバラに開発しているが、ルスツは加森観光㈱一社の所有であり、開発であるという点である。

確かに立地の点では、北海道新幹線の札幌延伸によって、ニセコのすぐ近くの倶知安にも新幹線の停車駅が出来ることは優位なのではあるだろうが、しかし、はたして外国人が新幹線で北海道入りするのであろうか?

新千歳空港に降りる外国人は、自動車での移動ならば、むしろルスツの方が近くなる。新千歳空港から列車で札幌まで出て新幹線に乗り換えて倶知安まで行くルートだと80~90分は掛かるのではないだろうか?

将来的に丘珠空港の滑走路延長などの整備をしたとしても、ほとんど所要時間の短縮には繋がらないのではなかろうか?

鶴の一声というのは諸刃の剣という危険性があるにはあるが、加森観光㈱にはオーナーの鶴の一声で決まるというスピード感と迫力がある。

エンターテインメントに関する加森オーナーの熱い思いには魅力を感じた。

これからの計画づくりには私もお手伝いをさせていただきたいと思ったのであった。