122年の歴史に幕を閉じて閉店する。
道東唯一のデパートであり、北海道でも地元資本が運営する唯一のデパートである。
今日で最後であるからと、妻と二人で館内を一回り見回って来た。
最終日だと云うのに、店内では商品の後片付けをしている。事実上の最終日は昨日30日だったのかもしれないが・・・。
何となく後片付けを見るのは興覚めである。せめて後片付けは明日以降にやって欲しかったなぁ~。
今日は、全国を見回してみても、渋谷の東急本店や、立川高島屋が閉館する。
もはや百貨店と云う形態は時代に合わなくなっているのであろう。
藤丸はここ数年赤字経営が続いていたと云う。そこにこの3年に及ぶコロナ禍がとどめを刺したのであろう。同じ様に苦しんでいる会社が多いと思う。かく言う我が社も同類である。
景気が悪いと大衆を相手にする商売は難しいが、業態変換はお金が無いと難しい。
こんな戯言がある。
「幸いと云う字には¥と云う字が入っている。お金が無ければ幸せにはなれない」と言う。しかし、これにはまだ続きがある。「辛いと云う字にも¥と云う字が入っているではないか」と云うものだ。
日本のこの30年間は不景気が続いている。現在の40歳未満の若者たちは、物心ついた頃から好景気というものを経験したことがないのだ。
高度経済成長下に育ち、バブル経済も経験した我々世代と、若い世代とでは経済に対する考え方が根本的に、または生理的に大きく異なっているのかもしれない。
果たして、これからの世の中はどんな社会になっていくのやら・・・
夜7時から地元のCATVのOCTVが藤丸閉店のセレモニーを生中継していたので見た。
すごい人数が来ていた。昼間に行った時よりもかなり増えている。
皆、口々に寂しいとか残念とか言うが・・・
何だか不条理を感じた。これだけの人数が普段から買い物をしていれば閉店に追い込まれることもなかったろうに・・・
まぁ、社会の変化もあるのであろうが・・・
実際に無くなって初めてその存在感の大きさを知るのであろうなぁ。でも買い物客には他のスーパー等があるから買い物には困らないのであろうなぁ。
しかし明日から、中心商店街は火が消えた様になってしまうであろう。
問題なのはこれからなのである。