これで二度目である。
一度目は、6~7年前であったろうか、私史上最重量体重であった頃のことである。
それまで結婚指輪は結婚以来外したことがなかった。
しかし、太り過ぎて左手薬指に食い込んで痛くなってきたのである。石鹸を薬指に塗って苦労しながら、痛みに堪えながら何とか一旦外したのであるが、再び薬指にはめるのは無理だったので、左手の小指にはめてみたのである。かなり緩かったが、薬指よりは良いだろうと思ったのである。
当時は毎日の様に温泉銭湯に通っていた頃であった。
その日は小指に指輪をしたまま温泉銭湯に行ったのだが、帰宅してふっと左手を見たら指輪が無いことに気が付いた。
すぐに銭湯に電話をしたら、受付に届いていますよとのこと、ホッとしてすぐに受け取りに行って事なきを得た。
このまま小指にしていたら、再度失くしてしまう可能性が高い。
すぐに宝飾店に指輪を持って行ってサイズを大きく直してもらったのであった。
以来、私の左手薬指には結婚指輪を付けたまま、外したことが無かったのである。
5年前に前立腺癌で札幌の北大病院に2ヶ月間入院した。病院食で痩せたのと、テレビ出演(開運!なんでも鑑定団)の為にダイエットして現在の体重を、ここ3年間は維持しているのだが、去年あたりから筋肉量が極端に落ちてきた。
何故だか腹回りだけはいっこうに減らないのだが、足や腕などが細くなってきた。
指も細くなって指輪がユルユルになって自然と外れるようになってきたのである。
こんなことならサイズ直しをしなければ良かった。
指輪とか時計とかは、慣れで着脱の感触が失われるようだ。
JCの現役時代(40歳で卒業)のことだから、かなり以前(四半世紀前)の話であるが、福岡県の博多にJCメンバーと泊まった時のことである。仲間数人でマジックバーに飲みに行ったのだが、そのバーでマジシャンに腕時計をスリ取られたことがあった。
勿論、犯罪ではなくて、マジックとしてである。カウンターの隣に座ったJCメンバーにマジシャンが「今、何時ですか?」と尋ねたら「アレッ、俺の時計が無い!」と言いだした。私が「何をバカなことを・・・」と言って、私の左腕を見たら、私の時計も無いのだ。
カウンター越しに我々にマジックを披露していたマジシャンの腕には3個の時計がされていた。マジシャンの私からスリ取る技術を持っていて、まったく気づかせることがなかったのであるから驚いた!
マジックの専門用語では「ミスディレクション」と言うのであるが、別な方向に客の意識を誘導する技術のことなのだが、これが素晴らしくて、私も見事に騙されたのであった。
その時には、私の重たい時計が外されても、まったく外された感覚が無かったのである。
どうやら、ずっと装着していると人間の感覚というのは麻痺するらしい。
今回、指輪の紛失に気が付いたのは、今日の午前10時頃のことである。
しかし、いつ外れたのか見当も付かないのだ。
たしか、昨晩はしていた筈である(普段から指輪のことなど気にしたことがないのではっきり覚えていない)。
今朝も6時半頃に目覚めた。
朝、薬を飲む時に左手の平に薬を乗せてから口に入れた。これはいつものルーティンである。この時に指輪があったのか?なかったのか?指輪をずう~っとしていたように思うのであるが・・・。自信が無い。
私が朝から動いた場所を調べてみたが見つからない。小さなモノであるから発見は難しい。
こりゃぁ~困ったなぁ~。
5月16日は38回目の結婚記念日である。何とかそれまでに探し出さないと・・・こりゃぁ~相当にヤバイぞ!