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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2023-05-01-Monday 勝毎「論壇」掲載記事

2023年5月1日十勝毎日新聞「論壇」掲載記事

「シンギュラリティ」

近頃やたらと「チャットGPT」という文字を目にする。デジタル関係には疎いが気になるので調べてみたら「質問に対して文章で答えてくれる人工知能(AI)」であった。人間がコンピュータに入力した膨大な量の情報から、適切なものを抽出して並べ替えて出力するらしい。もうここまで進んだのか。

最近のAIは「模倣の天才」みたいな機能を持っているようで、小説や絵画や音楽まで作り出すのだという。「模倣は芸術には必要かつ重要な要素であるが、過去に人間が作った作品をつなぎ合わせて、それらしい作品を作ることは得意なのかもしれないが、新たな発想の産物とは異なる」との解説があった。

しかし、人間の発明も、ほとんどが過去の発明の改良である。画期的な発明はほんの数%程度のものでしかない。発明には「ひらめき」が必要だと言われているが、それがAIにもあるのだろうか。

原始時代より発明は知識の積み重ねから出たものであろう。特に「文字」の発明によって知識の集積や継承が格段に進んだ。発明が発明を生み出すのだ。AIもディープラーニングによって驚異的なスピードで知識の集積が可能となった。いずれ画期的な発明をするようになるかもしれない。

AIが人類の知能を超える「シンギュラリティ」が2045年に到来すると予測した学者がいる。だが、このペースだともっと早まる気がする。アナログ的感覚からは実現したら「AI対人類の戦い」の世界になるかもしれないと危惧する。データから導き出される最善回答は誰がどう考えても人類の抹殺だ。地球を破壊しているのは人類なのだから。人類には同胞を大量に殺戮してきた歴史がある。いまだに世界中で戦争が行われ、平和であった時期など無いに等しい。人類殺戮の大量データから学ぶAIが、人は殺しても良い存在だと学習してしまう危険性はないのだろうか?

識者の中には「機械なのだからコンセントを抜けば良い」とか「あらかじめ危険思想を排除するシステムをプログラミングしておけば良い」と言う人がいるが、やるのは人間である。ウィルスをプログラムに仕込んでおくマッドサイエンティストやサイコパスもいるだろう。AIに頼りきることは甚だ危険である。

機械に職を奪われ、国民はマイナンバーカードに配布される電子マネーのベーシックインカムで生活。旅行やレジャーはメタバース内のアバターで満足する。行きつく先は「ディストピア」だ。

なお、本文中の用語の意味が分からない人は検索を・・・。