帯広には結構面白いアマチュア・マジシャンが4名居た。
私以外のメンバーは皆、転勤族で、銀行員、保険会社員、自衛隊員であったが、偶然にも同時期に帯広の支社や部隊に配属になっていたのである。
帯広市の西1条南11丁目に「ごーまるばくだん」というスナックがあるのだが、ここのマスターもマジック(トランプマジック)が好きで客に披露していた。いつしかマジックバーみたいになってきて、段々とマジシャン達が集う場所となっていったのである。
私も知人から紹介されて顔を出してからは常連客の一人となっていった。
2015年当時はちょうど私が所有する坂本ビルの3階に「マジック・ミュージアム」を造っている最中でもあり、知り合いになったマジシャン達にもオープン前(2016年12月プレオープン)の整備途中のミュージアムを見せたりしていた。
その4人のアマチュアマジシャンの内の一人(銀行員)だったY君が、銀行を辞めてプロマジシャンになると言う。現在、札幌を中心に活躍しているプロマジシャンのスペンサー・トリックスさんである。
自分でマジックを創案して創作までしてしまうオリジナルマジックの逸材である。
その他に自衛隊の幹部であるYさん(「Mr.セリック」と名乗っていた)や保険会社社員のMさん(「まじまじしゃん」と名乗っていた)。
この4人で夜な夜なマジックを披露し合っていたのであるが、スペンサーさんがプロになるとのことだから、皆で送別会を兼ねた「送り出しマジックショー」を開催しようということになった。
会場は坂本ビル4階の部屋である。自分達4人だけでお互いに見せ合うだけよりも、狭い場所でも10名程度のお客さんを入れて開催した方がお客さん達も喜ぶだろうと思い場所を設定したのであるが、噂を聞きつけたマジックを観ることの好きな人達から観覧希望の声が殺到してしまったので、急遽30名くらいの客を入れて行うことにしたのであった。
ごーまるバクダンのマスターも演技者に入れて5人のマジシャンが演技をおこなう最初で最後のマジックショーを開催(2015.3.22)したのであった。
出演者は全員アマチュアであるから入場は無料である。これだけのメンバーによるマジックショーを無料で観ることが出来た観客はラッキーであったと思う。
その時の出演メンバーは、その後、転勤やら移動やらでバラバラになってしまった。
そのメンバーの一人であった「まじまじしゃん」さんから帯広に行く用事があるので26日の20時にごーまるバクダンで会えないか?とのメールが入った。ウワ~懐かしい~。
久し振りに会えるのはとても楽しみである。
だが、私は昨年10月末にマジック・ミュージアムの展示品の全てを、留寿都村のルスツリーゾートに寄贈してしまって、手元に残したマジック道具は、仕掛けの無いカード・玉・コインなどの基本的な道具だけで、仕掛けの付いた道具を何も残していない。しかも、しばらく他人にマジックを披露していないから腕も鈍っているし、マジックの手順を忘れてしまっている。
この日は、集まったマジック同好の士たちの演技を観ることと話をすることだけを楽しみとしたのであった。
でも、他人の演技を観ていると身体がウズウズしてくるものである。やっぱり半世紀以上もやっているマジックからは離れられない様であるなぁ~。これをキッカケにまた練習でも始めようかな。
マジックの仲間というのは面白いなぁ~。