「ヨーカドー帯広 閉店へ」のデカデカとした見出しにビックリ!
小見出しには「全国再編の一環 来年6月末で調整」とある。
しかし、記事の中身をよくよく読んでみたら、来年6月末をめどに閉店する方向で調整を進めているとのことで、運営しているセブン&アイHDは「現時点で決定の事実はない」と説明しているし、土地建物を所有する日甜は「コメントすることはできない」としているから、経営主体からは明確な返答があったわけではなさそうだ。ただ取材を進める中ではヨーカドー側がテナントや関係者への閉店の説明を順次進めているということを複数の関係者が認めているということらしい。
この憶測を含めた記事というのは扱いが難しいことこの上ない。
かく言う我が社も、2年前に「坂本ビル 売却も検討」と書かれて、大変な迷惑を蒙ったことがあるからだ。
新聞記事は見出しの書き方が大問題なのである。多くの読者は記事の中身などキチンと読まないで見出しだけを憶えているものなのだ。
新聞記者のインタビューに対して、私は「テナントを募集しているが、コロナ禍でなかなか見つからないから、最悪のケースとしては売却することも検討しなければならないかもしれない」と答えたのだが、見出しに「坂本ビル売却も検討」なんて書かれたものだから、読者は記事中のテナントを募集しているということよりも、見出しの売却検討も考えているの方が目に入るものだし、インパクトがあるから頭に残るものなのである。その記事掲載の結果として交渉中であったテナント入居の目が消えてしまい、坂本ビルの現在の惨状がある。
記者は「特ダネ」をモノにしたいと功を焦るのであろうが、ハッキリしていない時点で書くことは街を破壊する行為につながるであろう。
噂によって進行中の話が消滅してしまうケースだって出て来るであろう。
明るくもない話を何も先を競って記事にする必要もないと思うのであるが・・・