祖父の勝(かつ)が明治37(1904)年に池田町利別凋寒に創業した坂本勝玉堂(しょうぎょくどう)の十勝石の商品が出てきた。
十勝石で作った「印材」や、大きな十勝石の塊から四角い石に製材する際に出る周りの部分の端材をモッタイナイからと置物に加工した商品が大量に出てきたのである。
石を切るカッタ—で切った石の切断面を磨いただけのものだ。不定形であるし、切断面以外の部分はガタガタのままの石である。ただし、切断面は平らに綺麗に磨かれているので十勝石独特の模様などが出て、飾り物になると思ったのであろう。
しかし、本来は捨てる類のものである。結局は商品価値があまりなくて倉庫に眠らせていたのであろう。
その他には、十勝石の表札や灰皿なども出てきたが、製作過程で石が欠けてしまった不良品などである。
これはもう捨てるしかないかなと思ったのだが・・・
先日、知人にその話をしたら「十勝石が好きなんです。店に飾りたいから欲しいです」と言う。活用してくれるなら嬉しいことであるから、取りに来てくれるなら無料で差し上げると言ったのである。
その受け渡し日が今日の午前中であった。
帯広百年記念館の学芸員にも、こんなものがあるけれどと連絡を入れたら、館長さんと一緒に伺うとの返事である。
今朝は、先に百年記念館のお二人が来社した。
先日、北海道の情報雑誌「HOほ」に載っていましたね。との挨拶の話題から、昔の写真の話へと発展した。
ちょうど古い写真も整理していたところであったので、古いアルバムを見せたら「貴重な写真があるからお借りしてデータ化したい」と言う。
百年記念館には以前に、私が蒐集した古地図を額装したものを数点寄贈している。それと合わせて、今回「HOほ」に載った「坂本勝玉堂」の商品などと十勝石の商品などを一緒に展示したいと言う。
倉庫の中の十勝石の「印材」「風鎮」「指輪」「帯留め」「ネックレス」などの古い商品を展示してくれると言う。その他に「紙袋」「包装紙」「しおり」「シール」なども欲しいと言う。
「十勝石の名前を日本中に広めた坂本勝玉堂の展示コーナーを企画してみたい」と嬉しいことを言ってくれる。
それなら、まだまだ、調べれば色々なものが出てくると思うから、写真も探しておきますと返事したのであった。
我が家の歴史が、百年記念館で常設展示でもされるようになったら嬉しいなぁ~。
坂本家が池田利別の凋寒から帯広に移転したのが明治38(1905)年であるから、今年で118年になるので、もう百年記念館の展示物になる価値はあるかもしれない。