もうこの世の中、何が本物で、何が偽物なのか、まったく分からなくなっている。
写真やビデオの映像証拠でさえ、修正や編集が素人でも簡単に出来る時代になってしまった。
先日ニュースになった岸田首相のフェイク映像も生成AIによるフェイク映像だった。
もうこうなると、今、世界を騒がせているイスラエルとハマスのそれぞれが発表する相手を非難する映像も、いったいどちらが真実なのか、ニセモノなのか、我々には全く判断がつかない。
かつては、録音テープや写真が動かぬ証拠であった時代があった。
そして、ごく最近ならば、ビデオ映像が動かぬ証拠であった。
それらが、ド素人が簡単に入手出来るソフトによって、
写真やスマホの映像などを簡単に加工や編集出来る様になって、誰でも簡単に音声や写真や映像を加工、修正、編集やらが出来てしまう世の中になってしまった。
少し前なら、自分の顔写真の目だけを大きく修正した不自然な写真が、テレビのニュース報道でも、犯人の顔写真だとして出された時に、そのような明らかに修正したであろうことがハッキリ分かる写真が出て来て笑ったことがあったが、今や、ソフトで顔の見た目の年齢を若く加工したり、年寄りに加工したり、果ては性別まで変化させるソフトが出回っている。YouTubeでその顔の変化を見せる一般人まで大勢居るようになった。
いったい我々はこれから何を信じたら良いのであろうか?
面白可笑しく加工している分には、楽しいのかもしれないが、それが犯罪の証明やら、それらの裁判などの証拠として有効か否かなんてことになったら、それこそいったいどんな世の中になってしまうのか見当もつかないなぁ~。
それなのに、世の中はそれらの技術を益々発展させる方向に進んでいる様に感じる。
私の趣味は不思議を見せるマジックである。
マジックは不思議なことをやって見せて観客を楽しませる芸能だと思っていたが・・・
もはや、画面を通しては、マジックの不思議さは一般の人々には通じない世の中になってしまったのかもしれない。
眼の前で直接見せる以外にマジックが生き延びる術はもうないのかもしれない。でも逆にそれは喜ばしいことだと歓迎もするが・・・
テレビ画面での不思議さが「サクラ」やフェイクかもしれないと思う人たちが増えたのならば、逆に生の眼の前で演じるマジックの「不思議さ」との差が表現し易くなるのかもしれないなぁ~とも思い始めている。
さてさて、これからいったいどんな世の中になっていくのであろうかなぁ~?