であり、「宮澤・レーン事件」が起きた日である。
「宮澤・レーン事件」とは、当時、北海道大学工学部の学生であった宮澤弘幸さんが、北大の英語教師であったレーン夫妻らとともに「軍事保護法違反のスパイ容疑」で検挙され、逮捕された冤罪事件の事である。
私が「帯広市の大学問題」の視察で、帯広青年会議所の視察団の団長として1995年にアメリカのコロラド州ボルダー市を訪れた際に、ボルダー市に在住していた秋間夫妻に大変お世話になり、その後も家族同士で何度もお互いの家を行き来する間柄になった秋間美江子さんの兄上が、この冤罪事件で特高に逮捕され、終戦後の昭和22年2月22日に27歳の若さで亡くなられた宮澤弘幸さんその人である。
詳しいこの事件のことは、何度もこのブログでも書いているので、ここではあえて書かないが、秋間美江子さんは、お兄様の冤罪を晴らすことに力を注いでおられた。その美江子さんも今はこの世に居ない。
毎年、この12月8日の日米開戦のニュースを見る度毎に、秋間美江子さんのことを思い出す。
国力に雲泥の差があるアメリカになど、誰がどう考えても勝てるはずがないのに、無謀にも戦争をした日本軍と、無実の人間を、己の手柄を上げる為に冤罪を着せて有為な若者を陥れた特高警察。そしてそれを応援した日本国民。
なんだか、その時の風潮に、現在の日本が似ている様な気がして仕方がない。「気」や「流行」に流される日本人。自分の考えというものを持たない日本人。
とても危うい雰囲気が漂っている。