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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2024-04-23-Tuesday 閉鎖

坂本ビルの閉鎖業務が完了した。

これで1992年5月2日の父の逝去に伴い継承した会社の業務を全て終えたことになる。

思い返せば・・・

祖父の坂本勝が大正12(1923)年に、時の河西支庁長の諏訪鹿三氏から購入した土地に、昭和44(1969)年10月30日に父の圭司がオープンさせたサニーデパートなど坂本家の商売の歴史の幕を閉じることになった。

この西2条南9丁目16・18番地の100年に及ぶ歴史に三代目の私が終止符を打ったのである。

そうかぁ~100年かぁ~。

まさに「売りビルと PCで打ち出す 三代目」となってしまった(江戸川柳に「売り家と 唐様で書く 三代目」と云う句がある)。

情けないやら申し訳ないやら・・・でも正直半分ホッとしている。

これはあくまでも想像ではあるのだが、父は私に三代目を継がせるべく、父なりに私に教育をしてきたのであろうと思う。

子どもの頃から、一緒に風呂に入った時などには、常に昔の話を私に聞かせていた。我が家の歴史を口伝しようと思っていたのであろう。常に私にご先祖様を意識させる様にしてきたのだと思う。

私が、大学の卒業前に「マジシャンになりたい」と告げた時には「馬鹿野郎!」の一言で家に引き戻された。

私も儚い夢と諦めて家業を継いだのであった。

それが、昭和55(1980)年、22歳のことであった。

所謂「他人の飯を喰う」ことを知らずに大学を卒業して直ぐにそのまま父の会社に入ったのであった。

入社した当時は「バブル経済」が顕著になり始めていた好景気の頃であった。

向かいにあった藤丸デパート(昭和36年開店)が1丁北側の8丁目に巨大な店舗を建てて移転(昭和57年開店)した頃である。

帯広の中心街も、昭和50(1975)年に西3条9丁目にオープンしたイトーヨーカドー帯広店と、新生藤丸デパート、9丁目には昭和45(1970)年にオープンした長崎屋、そして昭和44(1969)年にオープンした我がサニーデパートと金市館などの大型店が揃っていて中心街が一番元気な頃であった。

やがて、郊外にカテゴリーキラーやスーパーの大型店舗が出来始めて、徐々に中心街から客足が遠のき始めた。

平成10(1988)年にはイトーヨーカドー帯広店が郊外に移転、長崎屋も平成12(1990)年には駅南に移転して跡地は駐車場になり現在もそのままである。金市館も撤退してパチンコ屋になり、その後はホテルドーミーインになった。昭和56(1983)年にオープンしたホシビルは平成20(2008)年に解体され跡地は駐車場になったままである。

藤丸デパートが8丁目に移転した昭和57(1982)年からは、その建物は北海道拓殖銀行(北洋銀行)として使われていたが、平成24(2012)年に拓銀の後を継いだ北洋銀行が閉店し解体されてからはこれまで12年間、現在までもずっと空き地のままで放置されている。かつての中心街はまさに見る影もない。

バブル経済は1990年頃に終焉を迎えた。

父の圭司が亡くなったのは1992年5月で私が32歳のことである。

すでにバブル経済は崩壊していたが、不幸にもバブル経済の余熱で上がった地価や相続税率が史上最高値を付けた年でもあった。現在の価格と比較すると超高額な相続税を支払って会社を継承したのであった。

この1990年代初頭のバブル経済の崩壊から現在までを、所謂、日本経済の「失われた30年」と云われているのだが、まさにこの長期経済低迷期に会社を運営してきたのであった。

社長に就任した2年後の1994年には中心街での物販主体のビル経営は難しいと考えて、飲食主体のビルへの大転換を決断し断行した。大型の居酒屋4軒をテナントとして迎えて一息ついたのであった。

中心街活性化の為に「提言書」も作成して帯広市や商工会議所に提出もした。「北の屋台」も作った。平原まつりを盛り上げる為に「大道芸フェスティバル」もやっている。中心街を走る「フードバレーマラソン」のキッカケも作ったが・・・。

2008年には100年に一度と云われたリーマンショックの不況も乗り越えたのであったが、2020年に起きて丸三年間も続いたコロナ禍には勝てなかった。

2023年1月には藤丸デパートが閉店、2024年3月には駅南の長崎屋が閉店した。そして4月には坂本ビルも・・・

とても残念で悔しいが、これも時代の波を乗りこなせなかった私の能力不足である。もともと金儲けの才能が無いのである。

ご先祖様には大変申し訳ない気持ちであるが、なんだか呪縛から解放されたような気もしている。

でもこれからいったい何をして生きていこうかなぁ~。