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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-01-06-Sunday カンボジア紀行 4

2007年12月15日(土)十勝毎日新聞掲載 「発展?!」

今回でカンボジアは3回目の訪問になったが、最初の6年前とは随分と変化が感じられた。まず、空港の建物が行く度に変わっていた。初めはとても小さな空港、2回目は新しい建物で多少は大きくなった。しかし今回4年振りに行くと立派な空港に変身していたのである。観光客の入り込み数が01年当時は40万人程度であったが、毎年40%ずつ増え続けて昨年は200万人になったそうだ。ホテルも次々と立派なものが建っていて驚く。しかし、その分、道路、水道、電気などのインフラ整備が追いついていない。6年前はほとんど舗装されていなかったし、大型バスなどは見かけもしなかった。自動車は少なく、バイクも数えるほどしか走っていなかったのに今では道路を横断するのが恐いほどの数が走っている。信号機も4年前には2個だったが、交通渋滞が起きて収拾がつかなくなって5個に増えたとのこと、相変わらずバイクの3人乗りは普通で、中には家族7人で乗る中国雑技団も真っ青という剛の者もいるとのことである。

遺跡というご先祖様が残してくれた貴重な遺産を使って観光事業で発展するのは結構なことだが、急激な発展は人心を荒廃させてしまうのではなかろうかと心配している。特に市内と郊外との差を感じた。前回の訪問時に、観光地では子供たちが「10枚で1ドル!安いよ!」と本や絵葉書を持って寄って来た。買っても荷物になるし、お金を恵んでも親が取ってしまうと言うので、お菓子なら親も取らないだろうと、小さなビニール袋に10個ずつのキャンディを詰めて50袋を用意して持って行き、子供たちに行く先々で配って歩いて喜ばれた。当時の子供たちは皆、はにかんで「サンキュウ」と言ってその場を嬉しそうに離れていったものだ。今回も150袋を用意してトランクの半分をお菓子で一杯にして訪れたのだが、子供たちの反応が前回とは明らかに異なっていた。観光客の多く来る場所の子供たちは1個上げたら、もう1個よこせと要求するし、まだもらっていないと嘘を言うようになったのである。仲間で分け合うという気持ちが薄らいでしまったのであろうか。少々ショックであった。また子供たちの語学力には驚かされた。日、韓、英、仏の4ヶ国語を使い分けているのである。語彙も格段に増えていて「おに〜さん、かっこいいね〜」「若いおね〜さん、かわいいね〜」などとお世辞まで使うのである。語学を習得するには生活が掛かっている方が格段に上達が早いようである。普段カッコ良いなどと言われたことのない浅野さんは喜んで絵葉書を購入していたが、実は彼等が売っているものの方が町の土産屋で売っているものよりも安くて質が良いのであった。石澤先生が彼等の生活を助けるためにご自身が書いた解説本を与えていたのである。石澤先生の顔を知らない現地の子供が一生懸命に本人にその本を売りつけようとして、「その本は私が書いた本だよ」と説明していたという話をガイドさんから聞いた。微笑ましい様子が窺われるエピソードだ。カンボジアは賄賂が横行する国として世界ワースト3に入るとも言われている。子供たちには純真さを失わずに成長してもらいたいと思った今回の訪問であった。