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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-02-09-Saturday 視察旅行記3

「西表島(11月)」

翌4日の朝、台風が更に近づいている。ニュースを見るとずいぶん船が欠航しているようだ。同じホテルでは八重山諸島めぐりの団体さんが心細げに待っている。結局我々の船は予定通り出港したが、団体さんの船は欠航した。台風が近づいている割には海は穏やかであった。石田さんが西表島には行った事が無いから分からないというので、JCの仲間である大浜一郎さんに連絡を入れた。こんな時の人的なネットワークはとても役に立つ。

他の船が欠航した為に上陸している客は少ない。レンタカーを借りて走るといたるところに「西表山猫注意」の看板が立っている。車に轢かれる山猫がかなりの数いるらしい。川を遡り、山をハイキングする「浦内川トレッキング」のツアーに参加した。川幅はものすごく広い、マングローブの樹が茂っていてジャングルのようだ船でなければ道が無い。

船着場から上陸して、一時間半ほど山道をトレッキングして「カンビレーの滝」「マリュドの滝」まで密林の中を歩いた。正に秘境である、手付かずの自然がまだ日本にも残っているのだ。

山に居る間に雨が降るかもしれないから合羽を持っていったほうが良いと言われたが、「晴れ男」の定評があるから大丈夫と、全く根拠のない自信。しかし、結局山に居る間は晴れていて、船に乗ったら雨が降る。上陸したら晴れ、車に乗ったらまた雨と、ついに濡れる事が無かった。

昼食を食べようと思って地元の人に聞いたが紹介された店はあいにく閉まっていた。この時間に開いている店は「白浜食堂」位しかないと言われ車を走らせて辿り着いたら「西表家猫」が沢山居る食堂であった。しかし、食べてみたらこれが美味しいのである。見かけで判断してはいけないものだ。

帰途に日本最南端の「西表島温泉」があったので立ち寄った。水着で入る温泉であり、女性の客も多かった。なかなか広い立派な施設であったが、露天風呂から海が見えない。ロケーションがいまいちであった。ホテルのパイヌマヤリゾートの設備は近代的であったが西表島の場所には少々そぐわない感じがした。

我われが宿泊するホテルはこの日はレストランが休みであり、夕食は別な場所で取らなくてはならないがホテルの近くには店は無いと言う。西表島では予約をしないでいきなり行っても入れない事があるというので温泉のフロントから知り合いの店を紹介してもらい予約した。道が判らず苦労して辿り着きようやく食べる事が出来たが、台風で漁が出来なかったのでメニューに制約があるという。しかし、どの料理も美味しかった。美味い店は地元の人に聞くに限る。

宿泊するホテルは「ラ・ティーダ西表」新しいコテージタイプのホテルだ。朝起きたら、また皆が泳ぐと言い出した。ホテルの目の前は海岸でプライベートビーチのような貸切(この時期に泳ごうなどと言う奴は他に誰も居るわけがない)状態だ。

西表の観光名所に由布島に水牛が引く牛車に乗って浅瀬の海を渡るものがあるというので行ってみた。これが実にのんびりしていて最高だ。水牛は勝手に歩いていくから、途中で案内のおじさんが三線を弾いて沖縄民謡を歌うのである。のどかな気分だ。沖縄のテンポはゆっくりしていて心が落ち着く。

石垣島に戻るときに「竹富島」に行ってご覧なさいと強く勧められたので急遽行く事にした「行き当たりばったり」の旅である。

「竹富島(11月)」

5日の予定には無かった場所だったが、ここが今回の視察のハイライトであった。西表島からいったん石垣島に戻り、別な高速船で竹富島には15分ほどで行けるのである。

この島は、景観条例を厳しくしており、島の建物は昔の風情を残している。建て直す場合も外観は周りに合わせなくてはならない。島の人口は300人ほどで全員が顔見知りだから犯罪も無いという。この島をまた牛車で観光して回った。これまたのんびりとしていて最高だ。すっかり気に入ってこの島に住みたいと思ったが、定住しなくては入れないそうだ。別荘だけの所有は駄目だという。別荘所有者の島になったら島が廃れてしまう。島での生活者だけを受け入れるという、これまたもっともな政策だ。

この島が一番沖縄らしい場所であった。場所の力が活きている感じだ。立派な設備なんか無くても、場所にあった建物が並んでいるだけで十分満足できる。古いものを壊して新しく場所にそぐわない建物を建てたらぶち壊しになってしまう。この島の人たちにはそのことが良く理解できているのだろう。賢明な選択だ。

「石垣島(11月)」

再び石垣島に戻った。宿泊は川平湾にある「B&B KABIRA」だ。那須の二期倶楽部の経営である。昔の建物をリニューアルして使用している。10室しか部屋がないがこじんまりとした良い雰囲気だ。名前の通り朝食の提供と宿泊がメインだが頼めば夕食も手配してくれる。しかし、この日はレストランは休日で夕食は外で食べなくてはならない。近くには食堂が無い。そこで、大浜さんに連絡をしたら、ご案内くださるという。

市内に出て、郷土料理を食べた。郷土料理はその場所で食べると美味しく感じるが、美味しかったからとお土産で持って帰って喜ばれた事が無い。これもその場所に合った食べ物をその場所で食べるから美味しいのであって、そぐわない場所で食べても美味しくは感じないのだろうと思う。今回の視察ではとにかく全ての店でゴーヤチャンプルーと沖縄そばを食べ続けた。

翌朝、「日本一魅力的な鍾乳洞」という宣伝文句につられて鍾乳洞を見に行った。このキャッチフレーズはいんちきだ。魅力的というのは主観であって客観ではない。名付けた本人が日本一魅力的だと感じたのだと言われればそれまでだが、こうゆう表記の仕方は問題が多い。

お土産にパインアップルを買った人がいたが、現地の人に言わせると旬ではないと言う。観光客が一方的にイメージを付けているのかもしれないが、現地の人がお勧めするものをお土産にすることも必要かも・・・