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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-02-12-Tuesday 視察旅行記6

「酸ヶ湯(2月)」

2月4日に青森県酸ヶ湯温泉にいった。冬の八甲田山は雪深い。何でこの季節に八甲田なんかに行くんだとブツブツいうメンバーもいたが、その場所をイメージできる季節に行くから良いのだ。まさに新田次郎原作「八甲田山死の彷徨」高倉健主演の映画「八甲田山」の世界であった。

電車とバスを乗り継ぎようやく辿り着いたという感覚だ。泊まる宿は「八甲田ホテル」、ログハウスで出来た立派なホテルだ。客はオフシーズンだから少ない。私には冬の八甲田にピッタリの雰囲気のとても素敵な宿であった。

湯治で有名な酸ヶ湯温泉が近くにあるので入りに行った。古い建物で千人風呂という80坪の巨大な温泉がある。入り口に貼ってあるポスターで見るととても大きなお風呂に感じたが、実際に入ってみると意外に小さく感じた。名前の通り酸性の強い白濁した温泉だ。飲んでみたら強烈な酸味にしばらくの間口の中が変になってしまった。

酸ヶ湯温泉は湯治客中心で日帰り客が少ないのか、日帰り客用の施設が少ないと感じた。八甲田ホテルではフレンチのフルコースの夕食である。味はいまいちであった。オフシーズンだからだろうか?・・・

ホテルの温泉にも入ってみた。透明なお湯だが、なめてみたら酸っぱかった。客が少なくて貸し切り状態で気持ちよかった。

翌朝、頼んでいた送迎用の車が山道を登れないという。やはりこの雪は地元の人でもやっかいなのだなぁ。

「乳頭温泉(2月)」

5日に秋田の秘湯「乳頭温泉」に行った。宿泊は一番奥にある「鶴の湯」の初日は江戸時代の建物である「本陣」の二間続きの部屋である。トイレはシャワー付きだが、その他は古いまま、囲炉裏があってランプがあるのが嬉しい。寒いかと思ったが意外に暖かい。囲炉裏を囲んで食事をしたが途中電気を消してランプだけの明かりで食事をしていたら、酔狂だったのだろう、宿の人が暗くないですか?と尋ねてきた。妙にはしゃいだ気分だった。

料理は山菜とキノコが中心の郷土料理、山女魚を串刺しにして囲炉裏で塩焼きにする。後は山の芋鍋である。素朴な食べ物であった。

温泉はその名の通り乳白色である。色は酸ヶ湯に似ているが酸っぱくはなかった。深々と雪が降る中、露天風呂に入った。お湯は少々ぬるい。私は熱いお湯が好きなので内風呂の熱いお湯に入り直してすぐに上がったが、他の仲間が何時まで経っても部屋に戻ってこない。このぬるめのお湯が気に入って2時間も浸かっていたのだ。

山の中だから他にはする事がないので、温泉にばかり浸かっていた。11時過ぎると日帰りの入浴客が大挙して押し掛けて来た。脱衣場には並んで待っているではないか。ここの温泉はかなり人気があるのだろう。

我々は連泊するのであるが二日目は新しい建物の「新本陣」である。宿の人も「本陣」と「新本陣」の二箇所に泊まる客は初めてだと言っていた。連泊する人が珍しいとのこと。

山の中で何もすることがないから、温泉に入っては寝ることを繰り返した。

夕食のメニューは昨夜とほとんど同じ、宿の体制が連泊用になっていない。この宿は人気があってなかなか泊まれないらしい。満杯で断る客も多いといううらやましい事態だ。毎日満杯ならすごいことだ。

こんなに交通の不便な処でも目的があったら客は来るのだ。交通の便が悪いというのは言い訳にならない。

いかにして場所の意志にぴったりと合ったものを運営するかである。ヒントは一杯詰まっている。

この「視察旅行記」は平成15年度に北海道経済産業局に提出した「地域の特性を活かした農業と商業を融合させた観光飲食業の創造」報告書(2004年2月発行)に記載したものである。