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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-02-18-Monday 商いをエンターテェィンメントに

2003年4月12日(土)十勝毎日新聞掲載

日本では近年まで欧米型の大道芸はあまり盛んにはならなかった。

大道芸は路上で演じるために小屋や劇場という箱がない。従って入場料というものを徴収することができないのだ。演劇やサーカスなどと違ってまず芸をすべて見せてから最後に見物料をもらうスタイルであるために、観客がお金(投げ銭)を払わずに立ち去ってしまうケースが多いと芸人の生活が成り立たなくなってしまうからだ。

日本の大道芸は商品を売ることが主目的であり、いわば芸は売るための客集め用であったので、見物料は無料だったことによる慣習の影響ではないかと言われている。

「お代は見てのお帰りに・・・」という口上で一見すると同じ料金後払いシステムの様に思える見世物小屋でも、実は出口で強引に木戸銭を徴収する仕組みになっているから見物客からの取りはぐれというのは無かったのである。

大道芸では投げ銭を集めるのも芸のうちである。演技が素晴らしいだけでは稼げないのだ。芸が終了した瞬間に観客をその場に留めて投げ銭を帽子に入れてもらう話術も必要なのだ。大道芸は演技者=マネージャーなのだ。

昨年(2002)の帯広平原まつりに、大道芸人を呼んだ。今は「ファニー・ボーンズ」と名乗っているコンビだが、イギリス人のクリスピー・クリスと日本人のキャプテン・ケーボーの二人組だ。

2002年の大阪の枚方と東京の台場の大道芸フェスティバルで優勝した実力者でもある。西2条通りのあちこちの街区で演じたが、どこも圧倒的な集客だった。これまで帯広の人たちにはなかなか生の大道芸を見る機会が無かったので、テレビとは違う生の演芸に感動したのだと思う。2003年は大道芸人をもっとたくさん呼びたいと現在企画を練っている最中だ。

これも昨年(2002)行った企画だが、大阪から日本一のチンドン屋「東西屋」の五人を招いて帯広の市街を練り歩いた。

子供の時分にチンドン屋の後ろをくっついて歩いてはよく親に叱られたものだったが、積年の夢を果たしたかったのである。

チンドン屋のような音を伴う「宣伝業」はまちを賑やかにしてくれるし、なおかつ人間的で風情と温かみがあって面白い。

最近の、商品を渡してお金をもらうだけの商売に魅力を感じるだろうか。もう一度原点に戻ってエンターテェィンメント性も考えてみる必要がある。

売る方も買う方も共に楽しくなるような商売をやりたいものだと思う。