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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-02-23-Saturday まちづくりには柔軟な発想を!

2006年2月4日(土)十勝毎日新聞掲載

三年程前の「帯広空港の利活用を考える」会議での話。国際チャーター便の話題になったので「イチローが大リーグのシアトルマリナーズで大活躍しているからシアトルに直行便を飛ばしてはどうか」と提案した。すると関係者が「積め込める燃料の問題で距離的に米国本土までは飛ばせない。だから距離の近いハワイやオーストラリアのシドニーにしている」と言うのである。

私は「帯広からならシアトルとハワイは距離的にさほど変わらないのではないかと思う。何度か成田からシアトルに行っているが行きの所要時間は八時間程度であった。帯広は成田よりも北東に位置しているのだからシアトルに行くなら成田からよりも一時間程度は早く到着するのではないかと思う。むしろ距離的にはシドニーの方がシアトルよりも遠いのでは?」と言ったのだが誰からも相手にされなかった。

後で確認したら成田—シアトル間は行きが八時間三五分で帰りは一〇時間二〇分、(地球上の東西の移動は自転の気流の影響で行きと帰りの時間が違う)ホノルル間は六時間三五分と八時間五五分、シドニーは九時間三〇分と九時間四五分であった。

成田からでも行きだけの時間でみればシアトルの方がシドニーよりも一時間ほども近いのである。

この会議の出席者はたぶん地図の視点でしか地球を捉えていないのだろう。地球は丸いのである。球体を平面に直すのだから地図はゆがんでいるはずだ。しかも地球は自転の影響で、洋梨型をしており(自分の目で確認したわけではないが・・・)極の近くは細く、赤道付近は膨らんでいるというから、きっと帯広—シアトル間と帯広—ホノルル間の距離は成田からより一時間ほどは近づくと思うし、逆に南半球のシドニーへは一時間ほども遠くなってしまう。

実際にホノルルから千歳への飛行機は帯広市の上空を飛行しているから、帯広からの乗客なら「ここで降ろしてくれぇー」と言いたくなるだろう。

シアトル便を就航したら上手くいくかどうかというのは別の次元の話である。初めからダメだと決め付けてしまって検討すらもしてみない姿勢に問題があると思うのである。

立地など場所の特性をもっと考慮すべきだと思うのだが・・・

この種の会議では、可能性を検討することをしないので疲労感しか残らない、結局はこの組織を離脱してしまった。

「まちづくり」にはもっと柔軟に視点を変える「マジック的思考法」が必要なのだと考える。