農家の人たちと話をしていて面白い事を聞いた。ある日、農作業の移動中に農道でコンバインを走らせていたら警察官に止められてしまって大変なドタバタ劇になったのだそうな。
道路交通法上コンバインは一般道を走ってはいけないことになっているのだが、十勝の場合は一戸あたりの耕地面積の平均が35haもあり、北海道平均の17haの倍以上もあるのだから、必然的に自分の畑の中を公道が通っているというような他の場所ではとても想像できないような事態になる。つまり農作業中に自分の畑から畑の移動の際には一般道を通らなければ辿り着けない訳である。
道路交通法を厳格に遵守するとしたら、コンバインを一々分解してからトラックに載せてまた組み立てるという作業をしなければならないのだそうだ。これでは手間も費用もバカにならない。
北海道は広い!特に十勝は広い!なにせ、十勝だけでも東京都と千葉県と神奈川県を合計した面積(9,751k㎡)よりもまだ広い10,831k㎡もの面積があるのだから、全国一律の法律で縛ろうとするのはどだい無理な話だ。
道路ついでにいえば、一般道の制限速度も最高時速60kmという規制は北海道向けではないと感じる。郊外の道路なら80kmくらいでも全然問題ないと思うのだが。
一般道を80kmで走らせたら、一車線しかない北海道の高速道路の最高時速と同じになってしまって高速道路は単なる「自動車専用道路」でしかなくなる。そうなると有料の高速道路は益々使われなくなってしまうなぁ・・・。
でも、これからは高齢者のドライバーが増えるのだから、高速道路を造るよりも、一般道を拡幅して、低速で走る車線を造った方が費用も安くて済むし、利用しやすくなるようにも思うのだが・・・。
十勝はこんなに広大な面積であるのに、公共交通機関が全くと言ってよいくらい整備されていないから、親は子供の塾や習い事の為に専属の運転手として送り迎えをしなくてはならない。中学生くらいまでならまだしも、高校生になってまでも送迎しなくてはならないとは大変なことである。
解決策として北海道だけ自動車の運転免許証を15歳で取得できるようにしたらどうかという冗談話になったが、地域の実情に合わせた法律というものが必要な時代が来るような気がする。
法律論はさておいても、可能か、不可能かというのはそう簡単に結論づけるものではないと思う。現在常識と言われているものも最初は皆非常識であったのだから。