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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-02-27-Wednesday 十勝の観光

2006年3月4日(土)十勝毎日新聞掲載

「十勝の観光は遅れている。」「十勝には見るものは何も無い。」とはよく聞く話だがはたして本当だろうか?

元々、旅行好きだからこれまでにも色々な場所に行ったし、国から「観光カリスマ」なるものに任命されたお陰で講演の依頼が増え、全国各地の観光の名所といわれる場所を現地の方の詳しいガイド付きでご案内いただけるから、一般の旅行者よりは多く見て歩いているつもりだ。

そうした場所と比較すると「十勝の観光の可能性は無限大」だと真面目に思っている。

十勝は「20世紀観光」の恩恵に与らなかった分、マイナスイメージが付いていないことが逆に有利にはたらくと思うのである。言わば一周遅れの先頭ランナーなのだ。

20世紀の観光を象徴していたのは良くも悪くも「団体旅行」であった。がむしゃらに働いて多少のゆとりが生まれたときに集団で旅行に出掛けたのである。まだ、海外旅行が高嶺の花であった頃は全国の温泉地はこの団体さんを受け入れることで発展した。ホテルは大型化し、一旦ホテルに入った客は一歩たりとも外に出してはいけないと、ホテルの中にあらゆる施設を完備して「囲い込み」をしたが、その為に温泉街は寂れてしまった。海外旅行がお手軽になってからも、日本人は相変わらず団体で行動していた。

しかし、21世紀になって圧倒的に情報量が増えると、急に「個人旅行」に変わったのである。「団体」から「個人」への変化は、業者にしてみれば要望単位が「一」から「人の数」分に増えたということである。個人の要望は多様だから、泊食分離(素泊まりOK)や交泊分離(レンタカー)などが主流になってきた。

旅行先に海外を選ぶか十勝を選ぶかということは、払うサイフは一つなのだから世界を相手に競争するということと同義語になるのである。

海外に負けるのは国内の航空運賃が高過ぎるからと言い訳しているが、しかし東京からの二泊三日のスキーツアー料金は29800円だ。この料金には往復の飛行機代からホテル代までが含まれている。嘆いているだけでは解決しない。これまでの常識と言われていたことを疑ってみよう。必ず方法はあるはずだ。

例えば十勝が一丸となってまとまり、航空会社に飛行機の席を通年でまとめて購入するから安くしろという様な交渉などは出来ないものなのだろうか?

観光客用に造った施設には地元の客は行かないものだが、逆に地元客が溢れているところには観光客も行きたがる。北の屋台が好例だ。

観光も智恵と情報発信力の地域間競争時代に突入したのである。