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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-02-29-Friday 帯広のまちづくり組織

2006年3月18日(土)十勝毎日新聞掲載「共同の事務所、局員を」

帯広は「三人寄れば一つの団体が出来る」と言われるくらい組織を作るのが好きな地域らしい。しかも、同じ人間が幾つもの組織に重複して加入する傾向が見られるという。一人で一〇以上の組織に入っている人もいる。

組織の寿命はおおむね一〇年位と言われており、中心で活動している人間が五〇歳代になると急激にくたびれてしまい、パワーを失ってやがて解散してしまうようだ。

「継続は力なり」とはよく言う言葉だがなかなか組織の中では後継者が育たないから継続したくてもできなくなってしまうのだ。この「育たない」という表現は実は間違っているのかもしれない。若い人たちは、前述したように次々と自分達で新しい組織を作って活動を始めるからだ。しがらみや制約のある組織に入って先輩の顔色を窺いながら活動するよりも自分たちだけで自由にできる組織を作ったほうが手っ取り早いということなのだろう。継続期間は短くなるが、その分活動のエネルギーは高いといえるのかもしれない。

これまでの成長時代にはこれでも良かったかもしれないが、安定時代に入った今日ではこの方式だとノウハウの蓄積がなされずに、活動が停滞(成長しない)してしまうのではなかろうかと危惧している。

もう一つの特徴は、事務局を担う人達が自分の仕事をしながらボランティアで兼務していることだ。当然ながら事務局の人の負担が大きくなってしまう。組織の会員数が二〇名を越えると連絡事務だけでも煩雑になり、活動自体が疎かになってしまう。しかし、人件費や事務所費を払えるほどには、会員から会費を徴収できないから誰かが犠牲になってボランティアで事務局を務めなければならないのである。内容の濃い活動をしようと思ったら事務局の専任化と事務所は必要な条件だと考える。

幸いにも私達の組織である「十勝場所と環境ラボラトリー」は事務所と二人の専任事務局員を持つことができたから「北の屋台」のような活動ができたのだとも思っている。

この「十勝場所と環境ラボラトリー」も一九九六年からの活動だから、今年で一〇年目を迎えることになるが、ご多分に漏れず後継者が育っていない。

組織の中で後継者が育たないなら、別な仕組みを考え出さなくてはならないだろう。いくつかの組織が共同で事務所と事務局員を抱えるという方法はどうだろうか?同じ場所に複数の組織の人達が頻繁に出入りして気心が知れ合えば、その内に一緒に協働しないか等ということになってくれたら面白いと思う。組織の合従連衡が起これば結果的に後継者が生まれることになるのではと期待している。