行列に並ぶのが嫌いだ。
都会で暮らす人にとっては並ぶことが日常茶飯事で、さほど苦にも感じないのだろうが、私はどんなにうまいと評判の飲食店であっても、並んでまで食べたいとは思わない。
このことは十勝に住む人の共通項だとずっと思っていた。
ところが先般、帯広駅前の市の施設の駐車場前に、ズラリと十台ほどの車が行列している光景を目にした。
自動改札の機械には「満車」のマークが点滅し、駐車中の車が出庫しない限り遮断機は上がらない。しかも、それを知らずに並んでいるようには見えなかった。二十メートルほど離れたところには無料の駐車場があるのに、いつ空くとも知れない場所で辛抱強く待ち続けているのだ。
そういえば十勝人気質の一つに、「歩かない」というのがあったなと思い出した。
車の中なら、ラジオでも聞きながら何時間でも待てるということなのだろう。
雨でも降っているならいざ知らず。晴れた日に、たかだか二十メートルすらも歩きたくないのだろうか?車と自分の足で並ぶのでは意味が大きく異なる。
十勝の人よ!少しは自分の足で歩こうよ!