探しているものは「二つセットで一つの用を足す物」である。結構な貴重品なのでそこら辺に放り投げていることはありえない。二つを別々の場所にしまうはずもないのだが、どうしても片一方が見当たらない。
すぐに必要な代物という訳ではないのだが、見つからないとどうにも気分が悪いので、昨日の春分の日に一日掛けて探しまわったのだが出てこないのである。
家中をひっくり返して探していると、代わりにこれまで探していたが見つからなかったものが次々と出て来た。
「違う!今探しているのはお前じゃない!」と叫びながら、一方では「出てきてくれてありがとう」と言う自分が居る。まことに可笑しな気分だ。結局、失せ物は出てこなかった。きっと今度別の物を探している時に出てくるのだろうなぁ。