十勝には一種独特の雰囲気があるらしい。1996年につくった私たちの組織「十勝場所と環境ラボラトリー(略称:バカラボ)」が実施した調査でも、「札幌・東京なにするものぞ!」という気概を持った人物が多かった。郷土に対して、人一倍、自信と愛着があるのだ。
しかし、その自信が一体何によって裏打ちされているのかは判然としない。多品種の大食料生産地であり、食料自給率は900%とも1000%とも言われているくらいだから、「食うには困らん」ということかもしれない。
同時に行った学者との分析では、「十勝は著しく石油に依存した地域である」との結論が出た。食・住・移動が石油無しでは立ちゆかないのだ。機械化された農耕機具は軽油、住宅の暖房は灯油、自動車はガソリン。
石油に代わるエネルギーで暮らせば真に豊かになる。
バカラボは新しいライフスタイルを世界に向けて発信することで、地球環境に貢献することを目的にした活動だ。
先ごろ、このバカラボが「日本都市計画家協会賞(市民・NPO部門)大賞」をいただいた。当初は大風呂敷を広げたホラ吹き団体と揶揄されたが、「北の屋台」などの実践的活動が認められたのだと思う。受賞を糧にして今後も有益な社会実験を続けたいと思っている。
(「十勝場所と環境ラボラトリー」は2006年12月31日をもって解散致しました。)