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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-04-15-Tuesday スピリチュアル

最近、スピリチュアルが大流行である。

スピリチュアルという言葉を恐らく「霊的な」という意味で使っているのだと思うが、世界的にも何年かおきにこの種の霊的なものが流行する傾向がある。

日本では明治43(1909)年に有名な「千里眼事件」というのがあった。ホラー映画や小説の「リング」の題材になった事件である。東京帝国大学(現:東京大学)の福来友吉助教授が御船千鶴子という女性の「透視」を実験で実証しようとし、後にこの女性が自殺するという事件であった。

昔からこの種の話では、科学者とかマジシャンが、霊能者のインチキを暴くというのが定まりである。

日本では、江原啓之氏vs大槻義彦(早稲田大学名誉教授)の対立の図式があるが、アメリカでは、超能力バスター(ジ・アマンジング)ジェームス・ランディというマジシャンが自称超能力者たちに、「自分の目の前で超能力を見せ、それが真実であったなら100万米ドルを進呈する」と言って超能力者たちに呼び掛けて公開で挑戦を受けるということをやっているが、まだ100万米ドルをせしめた超能力者はただの一人も存在していない。

私は「科学で証明出来ないことはこの世に存在しない」という科学者の傲慢な意見には賛成しかねる。確かにマジックを趣味にしていると、世の中の不思議な現象というもののほとんどがマジックで同様に見せることが出来るということを知ってはいるが、この世には「まだ現代科学では証明出来ないものが存在する」とも考えているのである。

だが、「他人に証明出来ないもの(霊だとか)」を使って他人の心理操作をすることはやってはいけないことだとも思うのである。

技術に誇りを持っているマジシャンは、初めから「これはマジックです」と公言してから演技を見せるものなのだ。マジシャンの中でも下手くそな奴や自信のない奴が「これは超能力です」とマヤカシを言うのである。(超能力は体調など、失敗の言い訳が付き物)

かつてスプーン曲げで有名になった「ユリ・ゲラー」もイスラエルの売れないマジシャンであったのだ。

私もスプーン曲げなんて簡単に出来るし、ユリ・ゲラーなんかよりもよっぽど上手く曲げられる自信がある。しかし、観客は私がやるとマジックだから仕掛けがあると言うし、自称超能力者が曲げると不思議な超能力だと信じ込んでしまうのである。

むしろ稚拙に見せた方がもっともらしく見えるものなのだ。

これは、先入観にしか過ぎないのである。人間はテレビの画面を通すと信じにくいものだが、自分の目の前で見せられたら信じ込み易いものなのである。しかし人間の目ほど騙し易いものはないのに。

人間は目で見るのではなく、脳で見ているのだから、脳の中で先入観が働いて錯覚を起こし易いのである。また錯覚を起こすように誘導しているのである。

マジックにはマジシャンズ・チョイスという技法がある。詳しく解説するとマジック協会から除名されると困るので、簡単に言えば「どのようにでも受け取れる質問の仕方をして、予めマジシャンが導きたい答えになるように、観客の答えを上手く誘導していく技法」である。これを巧みに使うのが、占い師や詐欺師やインチキ宗教家たちなのである。

最近の世の中にはマジックの技法を悪用する輩が増えているようだから皆さん、ご用心、ご用心。