«前の日記(■2008-04-15-Tuesday) 最新 次の日記(■2008-04-17-Thursday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-04-16-Wednesday 幹事役

幹事の大変さは経験した事のある人にしか分からない。

出身高校の北海道立帯広柏葉高校のクラス会の幹事役を仰せつかってから32年になる。

好きで幹事になった訳ではない。私が大学受験の為に上京している間に欠席裁判で勝手に指名されたのである。その指名理由は45名の同級生の内、将来的に帯広に戻りそうな人という事であった。確かに他の同級生の親は公務員や教員が多くて転勤族ばかり、親が地元で商売をやっているのは、私ともう一人の幹事に指名された小川豊くんの親が隣町で牧場を経営しているくらいであった。

指名をされた当初は「嫌だ!」と反発したのだが、理由を聞かされて担任の先生に説得され、しぶしぶ了承した経緯がある。しかし、しぶしぶでも引き受けた以上は責任があるから出来る限りのことはやってきたつもりだ。

昨年まで毎年2回ずつ1月と8月に名簿を作成して通算62号まで各自に郵送し続けたのである。最初は手書きのガリ版摺りから、タイプ打ちの印刷機、ワープロのコピー、コンピュータへと道具も進化していったのである。

卒業式の一週間後に最初のクラス会(お別れ会)を開催した際に、年二回の名簿発行を皆に約束した。その代わり交換条件として、毎年、私宛てに「年賀状」を出して欲しいという事とクラス会費として年間1000円を集め、余ったお金は貯めて置いて10年後のクラス会時に先生をご招待する費用に充てようということになり、口座を開設したのだが、さっぱり振り込まれてこない。結局10人程度からしかクラス会費が集まらなかった。翌年の年賀状も全員からは来ないので、来ない人の所には一々親元(まだ転勤していなかった)に電話して住所などを確認してから名簿を作成し郵送した。

東京の大学に行ったクラスメートから「年間1000円の会費は高い。名簿作成の費用なんて5000円も掛からんだろう」とクレームが入った。こ奴はクラス会費を払ってもいないのにこういう事を言う。頭に来たので「クラス会費の徴収は止める!払った人間には全額返却する。名簿は変わらずに年2回の発行は続ける。その代わり、俺が嫌になったら勝手に止めるからな!」と捨てセリフを吐いて、以後、自費で発行し続けたのである。

名簿というのは、一旦途切れると、その住所不明になった人間の消息を再び掴むことは困難なのだ。だから、30年間の内に消息不明者は2名しか出さなかった。年賀状をくれない人の消息も手間隙掛けて探し出し載せ続けたのである。それが、プライバシーの問題やら犯罪などが増え、「個人情報保護法」とやらの施行のせいでとても面倒なことになってしまった。電話で確認しようとしてもやりにくくなったのである。中には「名簿に載せて欲しくない」という人も出て来た。

確かに私はやり過ぎたかもしれない。名簿を見ただけでその人の事が判るようにと、氏名・配偶者名・現住所・親元の住所・電話番号・FAX・出身大学・就職先名・就職先電話番号など、あらゆる情報を満載にした名簿を作ったので、結婚していない人・離婚した人等などが掲載を嫌がったのである。

ついに一昨年(2006)の9月に開催した卒業30周年の同期会(5年毎に開催)を期に名簿の発行を中止してしまった。

今年の9月に母校の同窓会が卒業生全員の名簿の発行を企画している。私も購入を申し込んだが、同時に発行元から不明者の問い合わせも来た。2年前の古いデータを送ったが確認出来ていないので間違っている可能性も高い。こうして段々横のつながりも薄れて行ってしまうのだろう。何だか変な世の中になったものだ。