この言葉は人々にとても誤解を受けやすいセリフなのではないだろうか?
そして、大多数の人々が間違って解釈しているのではないだろうか?
私はこのセリフは言葉足らずではないかと思っているのである。
それは、「失敗する事を大いに恐れなさい。失敗したら何もかも失ってしまいますよ。失敗したくないのなら不断の努力を惜しまずに励みなさい。そして自分が最善の準備を成し、成功への自信があったなら、最後は失敗を恐れずにトコトン突き進みなさい。」という意味だと私は解釈している。
しかし、どうやら最近の解釈は、「何でもかんでもとにかくまず実行してみろ!」「失敗したって大した事はない」という様な感じなのではないだろうか。簡単に「失敗を恐れるな!」と言うのは甚だ無責任なように思う。
そこには、事前にじっくり検討するとかシミュレーションしてみるとかという考えは無いように感じるのである。確かに世はスピードの時代である。人より先んじて何かを成すということが重要な時代であることも解っているつもりだ。しかし、人に先んじただけで結局は失敗してしまったならば元も子もないではないか。
「七転び、八起き」という言葉もあるが、現代では七回も転んでなんかはいられない。一度の失敗がそう簡単には取り返せない時代なのだ。
あらゆるものが右肩上がりの時代なら、多少の失敗は「時間」が消して(隠して)くれる。右肩下がりの時代は一度の失敗が致命傷になるのである。
むしろ「失敗を恐れる」ことで「失敗をしない」ように努力することが必要なのだと思うのである。