«前の日記(■2008-06-11-Wednesday) 最新 次の日記(■2008-06-13-Friday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-06-12-Thursday 道新、朝の食卓31

北海道新聞2006年4月13日掲載「会釈」

何が苦手かって、人の顔と名前を覚えることが大の苦手だ。長年の飲酒習慣のせいか、それとも若年認知症が始まったのか、近ごろますます覚えることが不得手になった。顔と名前が覚えられない人は自己中心的な人間に多いそうだが・・・。

困るのは道を歩いているときに他人から会釈されることである。最近は視力が衰えてしまい、少し離れるとぼやけてしか見えないのに、眼鏡が嫌いだから普段は掛けていない。だから前から来る人がどこの誰か分からないまま、いきなり会釈されてしまう。

会釈されると反射的に笑顔で答える癖はついたが、頭を下げると相手の顔を見られないから、すれ違うたびに「今の人は誰だったんだろう」と、?マークが増えていく。

でも、はたして相手の人も、私のことを本当に分かって会釈しているのだろうか。どこの誰かは知らなくても、見知った顔の人にはとりあえず会釈しておく習慣が日本人にはあるのではないだろうか?

15年ほど前に福岡のホテルで王貞治さんらとすれ違った。エレベーターの扉が開き、よく見知った顔が急に目の前に現れたので反射的に会釈したら、王さんが会釈を返してくれたのだ。一緒にいた他の有名野球選手たちは誰一人返してくれなかったのに・・・。

同行した仲間と「さすが世界の王さんは人間ができているな」とうなずき合ったのだ。