送り主は「日本電○○告株式会社」で住所は新宿郵便局の私書箱となっている。封筒の表書きには「広告料金振込案内書」と書かれていて、中には郵便局の払い込み用紙が入っているだけ、ミシン線でその用紙につながっている紙には我が社がNTTのタウンページに掲載した広告を切り抜いて貼ってある。そこに書かれている文面には下のほうに「日本電信電話株式会社のタウンページと混同なさらぬ様お願いします。」と書かれている。
「混同なさらぬ様」にと書いてはあるが「混同させる様」に作られている代物である。
慌て者が見たら、タウンページの請求書と勘違いしやすい体裁になっているのだ。
実に巧妙なのは、うまく誘導された(騙された)人が例え警察に届け出ても、犯罪の要件を満たさない様にと考えられている点だ。これを作った人間は頭が良いし、法律に詳しい人でもあるだろう。ひょっとしてマジックの素養があるかもしれない。実に巧みにギリギリの線を渡っている。
これだけの頭脳を持っているなら、もっと良い事に使えばいいのに・・・。もったいない。
「俺、俺、詐欺」の件数も一向に減らないようだし、騙される人のなんと多いことか。きっとその手口も日々、進化(?)しているのだろうなぁ。それとも日本人は疑うことが苦手な人種なのかしらん。
同じ騙される(この言葉は好きではないが)なら、マジックだけにしておきたいものだ。
マジックは知的好奇心を触発するが、詐欺に関しては怒りの感情しか起こらない。
マジック的な詐術(この言葉も好きではないが)を、悪用してほしくはない。
他人を喜ばせるエンターテインメントだけに使ってほしいものだ。