一年ほど前に、妻宛てに見知らぬ人たちから結婚式の招待状が届いた。妻が「新郎、新婦の名前や発起人にも思い当たる人がいない。この人たちは一体誰なのだろうか?私を誰かと勘違いしているのでは?」と不思議がって、結局、返事の葉書に「誠に失礼ですが、ご両人に思い当たりがございませんので・・・」と書いて欠席で送ったことがあった。
今年の4月の末には、妻が緑ヶ丘公園で行われた焼肉パーティーに参加した時、初めて紹介された人に「坂本ビルの坂本です」と自己紹介したら、「エ〜ッ、私は坂本ビルの坂本和昭さんの奥さんという女性を知っているけど貴女じゃなかったわ。眼鏡を掛けていて小太りの女性だった」と言われたというのだ。その人に「貴方は確かに坂本ビルの坂本さんの奥さんなの?」と訊かれたので「ハイ、坂本和昭の妻はたぶん私一人だけだと思います」と答えたというのだ。
妻が帰宅してそのエピソードを話し「あなた、まさか他に家庭なんて持っていないでしょうね!」と私に言うのである。願望はあっても実行など出来るはずがない。「俺の奥さんになりたいと思っている女性が沢山いるんだぞ!」と言ってはみたものの、私に限ってはそのようなことはまったく起こりようがないことは妻が一番良く知っている。きっと誰かと勘違いしているのだろうと笑って済ませたのであった。
昨日、私が不在時に会社に某出版社から電話が入った。「本の注文の葉書をもらったが、肝心の本の題名にチェック印が入っていないのでどの本がご所望なのか教えて欲しい」という内容であった。電話を受けた者が、電話では良く判らないのでその葉書をFAXで送って欲しいと依頼し、FAXが送られて来た。
そのFAXに載っている葉書には私の名前が書いてあるが、私の字ではないし、印鑑は押していないし、年齢も書いていない、事務所の階数も間違って書いている、それに何よりこんな葉書を出した覚えがないのである。
きっと、誰かのいたずらか嫌がらせなのだろう。
それにしても、誰かが私や妻に成りすましているのだろうか?
気味が悪い事この上ない。