例によって「夫婦50歳割引」というやつで二人で2000円(通常は一人1800円)で観られるから最近は特に映画を観に行く機会が増えたのである。2時間で一人1000円なら安い娯楽である。
私は映画はおもいっきり荒唐無稽なものが好きだ。辻褄が合わないとか、そんなバカなという筋立てでも、映画を観ている時に、ハラハラ、ドキドキしたり、ゲラゲラ笑えるような単純なエンターテインメントものが良いのだ。しょせん映画は虚構の世界なのだから。
昨晩の「インディ・ジョーンズ、クリスタルスカルの王国」も正しくそんな類の映画である。
ルーカスもスピルバーグもこの映画の中で過去の自分の作品の内容を使って遊んでいるところが面白い。映画通には映画通の、監督のファンにはファンなりの、始めて観る人にはそれなりのそれぞれの楽しみ方がある。しかも、続編へと続くであろう布石が随所にちりばめられていたように感じた。この映画が当たったらいつでも続編を作れる体制を取っておこうというのだろう。
ルーカスとスピルバーグの二人が余裕で作っているのか、それともかなりアイデアに詰まっているのかは定かではないが・・・。
ただ、最近の映画はあまりにもテンポが良過ぎて(早過ぎて)深みに欠けるきらいがあるのでないだろうか。
ヒッチコック監督の映画は本編とはまったく関係の無いストーリーのところでハラハラさせられたものだが・・・。
エンターテインメントが良いと言っても、観終った後に多少は余韻が残る様なものも少しは欲しい。ただのドタバタだけではつまらない。昨晩の映画も観終った後に、余韻ではなく、何かスッキリしないものが残ってしまった。
ハリウッド映画が粗製濫造になって、金だけ掛けて作るものや、宣伝ばかりに熱心になるのはいただけない。着想は面白いのだが脚本の細部のつくりに心が通っていないように感じるのは私だけだろうか?