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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-07-06-Sunday 環境問題2

1999年2月4日(土)十勝毎日新聞掲載「食糧とエネルギー自給〜独自のライフスタイルを〜」

1997年に京都で開催された地球温暖化防止会議(気候変動枠組条約第三回締約国会議)は先進各国に対して地球環境の保全を第一義とする「新しい経済」への転換を義務づけました。この「新しい経済」はまったくの「ゼロ成長」なのかというとそうではなく、「成長の中身を見直す」ということなのです。石油や銅などの資源は残りあとわずかであると言われております。この残り少ない資源を私たちの代だけで使い切ってしまって良いのだろうかという問題もあります。

ですからこれまでの資源浪費型産業は縮小させ、再生可能な資源やエネルギー、省資源、省エネルギー製品の開発・リサイクル業・高効率輸送機関などを成長させるのです。分かりやすく「自動車」を例にして説明すると、ディーゼルカーや燃費の悪い大排気量車の生産量は縮小し、ハイブリットカーや電気自動車や天然ガス車などの環境に優しい車の生産量に移行するということです。この機会に体質を変えることのできる企業や地域は十年後の勝者になれますが、旧態依然として現状に甘えるところは十年後には敗者になることが必然です。

日本は少子化で人口が減っておりますが、世界の人口は急激に増加しており、現在60億人なのが50年後には百億人に達するという学者もいます。食糧の輸出国であった中国が、一昨年から一部の産品ですが輸入国に転じております。原因は急激な工業化による農地の転用、食生活の欧米化による飼料の増加、気候変動による災害などが挙げられます。中国も人口は増加し続けており、慢性的に食糧不足におちいることは十分に予測できます。

石油も埋蔵量が残り35年分という説もありますし、発展途上国の人たちが欧米並みの生活レベルになってエネルギーの使用量が飛躍的に増加したとしたら、地球は一体どうなってしまうのでしょうか?

十勝に暮らす人たちはこれらのことに関心が薄いようです。漠然と十勝は土地も広いし、空気もきれいだし、水もおいしいし、農畜産物もたくさんとれるしと極めて楽観的に考えているのではないでしょうか。でも、よく考えてみて下さい。十勝を支えているはずの農業に就労する人数はどんどん減り続けています。少ない人手で広大な面積を耕すために大型の農業機械を導入し、化学肥料を入れ、大量の農薬をまきます。そこで質問です。機械は何で動くでしょうか?そうです、答えは石油です。もし、石油の値段が上がったら、もし、石油の輸入がストップしたら、その瞬間に十勝のあらゆるものがストップしてしまいます。

幸いにも、十勝は地球の恵みともいうべき自然のエネルギー源、太陽、水、風、地熱などが大変に豊富な地域なのです。これらのエネルギーで動く自動車や農機具などを開発し、十勝を安全で安心な食糧とエネルギーの自給できる地域にすることで、人間の根源的な部分では他に依存することなく、独自のライフスタイルを創りだすことができる。これが十勝環境ラボラトリーの信念なのです。しかし、一朝一夕にできるもではありません。皆さんの一日も早いご参加をお待ちしております。