«前の日記(■2008-08-02-Saturday) 最新 次の日記(■2008-08-04-Monday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-08-03-Sunday 大道芸の見(味)方!

今年も大道芸フェスティバルを開催する。 

2002年に一組の大道芸人から始まった「北の大地de大道芸フェスティバル」、今年は7組9名の芸人たちが14日からの「平原まつり」を盛り上げてくれる。

6年前までは、大道芸がなかったからか、見物のマナーをまだ分かっていない方が若干いるようなので、大道芸の薀蓄(うんちく)を紹介することで、鑑賞の幅を広げてもらいたいと思う。

古来、日本の大道芸は「ガマの油売り」に見られるように商品を売ることが主目的の、いわば客寄せの芸であり、客が芸を見ること自体は無料のものがほとんどであった。芸そのものを見せてお金をもらう大道芸は少なかったのである。

大道芸には小屋や劇場という箱がないから入場料を徴収することができない。だから、全ての芸が終了し、最後に見物料をもらうしかないのだが、日本ではこの習慣が災いして、お金を払わずに立ち去ってしまう人が多いのである。だが、そうなると芸人の生活は成り立たなくなってしまう。

大道芸では「投げ銭(見物料)」を集めるのも芸の内で、演技が素晴らしいだけでは稼げない。芸が終了した瞬間に観客をその場に留めて投げ銭を帽子などに入れてもらう巧みな話術も必要なのだ。「投げ銭」とは言うが本当に投げるのは失礼である。大衆演劇の「おひねり(お金を紙に包んで舞台に投げる)」とも混同してはいけない。最後にキチンと帽子などに入れてさらに握手を求めると芸人も喜ぶ。

戯れ歌に「芸人殺すにゃ刃物はいらぬ。あくびのひとつもすれば良い」というのがあるが、芸人も人の子である。近くに寄って芸人と一緒に場を盛り上げると興が乗ってきて普段見られないような面白いものを見せてくれるかもしれない。側に寄っても物を売りつけられることはないのでご安心を。

近年、物を売る大道芸は姿を消しつつあるのに対して、芸だけを見せる大道芸は全国各地で「まちおこし」として注目されている。が、大道芸には屋台と同様に法律の高い壁が存在し、普段の日には自由に道路や公園で演じることは許されない。「平原まつり」の期間中だけ許可をもらって演じているのである。

北海道のあちこちで開催される同様の催しと比較しても、帯広には世界中から一流の芸人たちが集まってくる。なぜなら、スタッフと芸人との信頼関係が篤いからだ。ぜひ、この機会に他所では見られない素晴らしい大道芸を見てもらいたい。

最後に「大道芸人殺すにゃ刃物はいらぬ。雨の三日も降れば良い」という戯れ歌もある。今年の平原まつりが天候に恵まれることを祈る!