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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-09-16-Tuesday リーマン破綻

米国のリーマン・ブラザーズが破綻した。

負債額が6130億ドルというから日本円に換算すると64兆円になるという。ちょっとした国の国家予算にも匹敵するような金額であり、米国でも過去最大の倒産である。原因はサブ・プライム・ローンの影響だという。

米国政府が救済に消極的だったのは11月の大統領選挙に悪影響を与えることを恐れた為だという。だが、これをきっかけにして世界恐慌が起きたらどうするのだろう。米国の政治家も自分の政党のことばかり考えて大局が見えていないのだろうか。

プライムというのは「優良顧客向け」という意味だというが、それに「サブ」が付くと普通の感覚なら「次」という意味に感じるが、実態は信用度の低い「不良債権のごまかし」であった。本来ならとても融資などしないような低信用の借主に対して融資をジャブジャブ行った結果だ。

その仕掛けは、錬金術的な金融工学といわれている手法でわざと複雑化し、実態をつかみ難くした仕組みで証券化し、さもリスクが分散されたかのように見せかけ、デリバティブ(金融派生商品)に仕立て上げたものだ。これだけ巨額の倒産をさせてもまだ実態は完全に把握できていないというから、複雑化したごまかしの仕組みは罪作りである。

これだけ複雑化したら素人には到底理解できないだろう。と思っていたら、玄人でも理解出来ないのだという。「まぐれ(N.N.タレブ著)ダイヤモンド社」という本に書いてあったが、トレーダーも実は金融工学の仕組みを理解している者など誰もいない。儲けた奴はたまたままぐれが当たっただけだというのである。実際、デリバティブの基礎理論をつくり1997年にノーベル経済学賞を受賞した学者が参画した米国のヘッジファンドが1998年に破綻したことがあるのだから本当かもしれない。

複雑化すればするほど、人間の手では対処が難しくなる。仕組みが暴走してしまうからだ。

いつ破綻するかやっている本人達にも判らないから、役員たちは儲けた時には何億円という桁外れに多額のボーナスを獲得しておくのである。

なんだかとても刹那的なギャンブル経済のようである。ギャンブルだから占いや神頼みなったりジンクスに頼ったりする様になるのだ。売りか買いの二者択一なのだから仕組みなど理解していなくても適当に言っていれば儲かる事もあるし、損する事もある。ただその額が巨額過ぎるだけなのだ。

株の世界で100%当たる予言者を作り出す方法というのがあるそうだ。まず株に興味のありそうな人を全国から2万人抽出する。その2万人の半数の1万人には○日にある銘柄が上がると書き、もう半分の1万人には下がると書いた葉書を郵送するのである。当然、見ず知らずの人からそんな不審な葉書が届いてもそれを信じる人はいないだろう。次に上がるか下がるかは二者択一なのだから、外れた方は無視して、当たった方の1万人に対してだけ、またその半数の5000人に上がる、もう半数の5000人には下がるの葉書を出すのだ。これを繰り返していくのである。次は2500人、その次は1250人、その次は625人・・・これを10回繰り返すと全国には36人の10回連続で当てた人を作ることできるのである。外れた人はそんな葉書が来た事は気にも留めないだろう。これで半信半疑だった人から36人の熱狂的な信者をつくれるというのである。これに掛かる費用は200万円程度の葉書代とインク代と手間だけなのである。

保険会社のAIGも危険水域に達しているという。以前にも書いたが、我が家は保険会社に恵まれていないようだ。加入した保険会社が軒並み破綻している。もう死んだ時のことなんか考えるもんか!事前に準備していたって加入している保険会社が破綻したらパーである。何かますます世界情勢がおかしくなってきている。この先、世界は一体どうなってしまうのだろうか?