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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2008-09-22-Monday 青森

青森に行ってきた。

19日(金)の13:30から青森市駅前のアウガという再開発ビルの5階での講演を頼まれた。青森でまちづくりにまさに命を懸けている加藤博さんからの紹介である。

去年の3月に同じ青森県の三沢JC(青年会議所)からの依頼で講演をした時のことである。帰りの飛行機が三沢空港から飛ばなくなり、急遽、青森空港まで車で送ってもらったらあまりにも早く着き過ぎてしまったので暇つぶしに青森市内を見学しましょうということになった。駅前のパサージュ広場にさしかかった時にふと加藤さんのことを思い出し、「今、青森市に来ている」と電話してみたら、忙しい人なのに偶然にもパサージュ広場にある事務所に居られた。すぐに出て来られて30分ほど喫茶店で話し込んだのであった。その時に今度は青森に呼ぶから講演して欲しいと頼まれたのである。加藤さんも全国各地で講演されているが、帯広にも何度か来られている。「お互いの町で講演しあうのも何だか可笑しな話だねぇ」「やっぱりまちづくりにはよそ者(新鮮な考え方をする人の意)が必要なのかねぇ」と笑ったのだった。

青森市へのアクセスはいろいろと考えたのだが結局、新千歳空港から飛行機で青森空港に飛ぶのが良いだろうということになった。2004年の12月に青森県の十和田市に講演に行った時には前日に大雪で飛行機が欠航したので、担当事務局の方が「万全を期して列車で十和田市まで来てください」と言われて、始発列車で向かい、何度も乗り換えて10時間ほど掛けて着いたのだがさすがに体力的に辛かった記憶があったのだ。冬の東北への飛行機便は予定通りに飛ばない事がままあるのだ。だが今回は夏だからよっぽどのことがない限り大丈夫だろうと飛行機にした。

今回の講演は県庁の職員と商店街の方々を対象にしたものである。金曜日の昼という集まりにくい時間帯であったが大勢の方が聞きに来てくれた。

最近は90分の講演時間でも100%の内容を話すことができない。エピソードがあり過ぎて、どれを省略するかいつも悩んでしまう。聴衆の職業などで省略する箇所を替えるのであるが、講演に熱が入るとついついサービス精神が働いて余計な話をしては肝心のことを言い忘れたりするのである。

話している自分が90分では時間が足りないくらいの内容なので、恐らく聞いている方々にも退屈はさせていない講演だと自負している。

今回の聴衆の中に、「青森屋台村さんふり横丁」の人達が数人おられた。帯広の北の屋台をモデルにした全国各地に出来た屋台村の一つである。講演終了後に、その屋台村を訪れた。

私は講演の中で「北の屋台を真似した屋台村はどこもあまり上手くいっていない」といつも言っている。つまり上っ面の形だけ真似して、根本のコンセプトをなおざりにしているところが多いからだ。一度訪れただけでは断定出来ないが、ここもたぶんそれに近いのだろう。屋台の建物が立てっ放しなのである。立地にも問題がある。おそらく北の屋台を改悪して始めた近くの町の屋台村を参考にして作ったからだろうか、屋台村のコンセプトが全く感じられない。小さな飲食店の集合体が屋台ではないのだ。屋台ならではのコミュニケーションが希薄な飲食店の集まりだけでは「まちづくり」にはつながらない。オープンする前に本家本元を訪ねて勉強してから始めて欲しかった。

企画部分の初期投資をケチる事業は上手くいかないのである。自分で屋台の事を一から研究するわけではないのだから費用的にも時間的にも余裕は十分にあるはずである。その分、先達が研究したことをしっかりと聞けば良いのである。それを省略したり、誤った人に習うと、後から問題が生じるのだ。このさんふり横丁で聞いた話だが、2、3日前に近くの弘前市にも屋台村がオープンしたという。しかもビルの中に作ったのだという。何だか屋台村のコンセプトがドンドンと壊されていくような気がしてとても残念な気持ちだ。