その最たるものが田中義剛氏が経営している花畑牧場であろう。日曜日のサンデージャポンという番組でも取り上げていたし、しんすけの行列の出来る法律相談所やビートたけしのTVタックルという人気番組でも取り上げられていた。
花畑牧場の生キャラメルがすごい人気商品で年商60億円にもなる勢いだというのである。
生キャラメルは田中義剛氏の発明ではなく、昔からある家庭でつくるお菓子のひとつだし、北海道の観光菓子でいえば、興部村の生キャラメルの方が開発は早かった。花畑牧場の生キャラメルはパッケージもこの先行する興部村の生キャラメルを模倣しているが、テレビという媒体を使って自分の発明であるかのような発言をして完全に主導権を手に入れてしまった。勝てば官軍で、敗者が何を言っても負け犬の遠吠えにしかならない。
ホエー豚もそれで作る豚丼も彼の創作ではないが、テレビという媒体を持って有効活用している田中義剛氏にかかれば、それを知らない全国の一般人は簡単に信用させることが出来るわけだ。
このような手法を私は好きにはなれないが、上手い方法だと言わざるを得ないだろう。自分が活用できるものが何なのか、どう発信したら大衆受けするのか判った上でやっているのだとしたらたいしたものである。
さすがはプロの芸能人というべきであろう。
田中義剛氏の上手いところは大衆心理というものを理解しているところである。研究したのか芸能人として自然に体得したものなのかは判らないが一級品である。
千歳空港や帯広空港では少量しか販売せずに常に売り切れ状態を演出している。花畑牧場でなら買えるが、一人三個までにして飢餓感を創出し大勢の客を花畑牧場に足を運ばせる戦術だろう。実に上手い。商売のセンスがある。芸能人にしておくのはもったいない。
ただ露出が過ぎると急激に飽きられてしまう心配があるからこれ以上のテレビの出過ぎは危険水域に達する。
観光や事業はブームで終わらせることがないようにじっくりと熟成させなければならないと思う。