昨年から筑波大学の非常勤講師として大学院生に講義している。
年に一度行くだけだがとても面白い。今回は筑波大学システム情報工学研究科経営政策科学専攻・社会システム工学専攻の「都市・地域経営とまちづくり2008」という題で10:00〜17:00までの集中講義であった。非常勤講師というのは聞こえは良いが報酬も安いし、帯広からつくばまでは交通の便が悪いので前泊、後泊の必要があり、結局3日掛りの日程になってしまうのだが、東京で半日、まったく別に好きなことが出来るから東京視察も兼ねて引き受けているのである。
特に今回は4名の講師による公開ワークショップというのもあり、以前から興味があった新潟県村上市でまちづくりをやっておられる吉川美貴さんが来られるというので、お会いしたくて喜んで引き受けた次第である。
まちづくりを実践されている人の話は誰の話を聞いてもワクワクしてきて面白い。皆さん、良くこんなにエネルギーがあるなぁ〜といつも感心させられる。吉川さんもご主人と二人でボランティアでまちづくりに取り組んでおられるという。素晴らしいことだ。
今回の講義で東京中央区副区長の吉田不曇さんがおっしゃっていたことに感銘した。曰く「この世の中に、公平な事業なんてものがあるはずがない」と。全く同感である。
世の役人は事業を行う時に「公平に」とか「平等に」とか言うけれど、どんな事をやったって公平になんか成る訳がないのだ。
それに、これからの世の中は他所の街と同じ事をやっていたってダメな時代なのだから、違う事をやるには、逆にオモイッキリ不公平な事をやらなければ特色など出せはしないだろう。結果としての公平さよりもチャンスとしての公平さが重要なのだと思うのである。
たとえある事業をおこなって、ある特定の人達にだけ恩恵が行くというような事業であっても、最終的にはその地域が潤うような事業ならOKではないかとさえ思うのである。
また逆に、役人の言うように、要件が整っていればOKを出さざるを得ないという様な消極的な意味での公平な事業推進よりも、たとえ要件が整っていても市長の方針(マニュフェスト)で承認しないという積極的不公平な事業展開もありだと思うのである。
かつての皆がミニ東京やミニ銀座を目指した時代は終わり、もっとそれぞれの街が特色を競い合うまちづくりの時代になったと考える。