かつての北海道経済の雄デパートの丸井今井が29日に再生法を申請し事実上破綻した。負債総額は502億円とのこと。
デパートが構造不況といわれて久しいが、地方百貨店の雄であり、北海道経済の象徴的存在が破綻したショックはかなり大きい。
大手書店のジュンク堂が12月にオープンしたばかりだから再建を楽しみにしていたのに・・・。
子供の頃、札幌市に遊びに行くと丸井今井と三越に行くのがとても楽しみだった。
帯広にも藤丸というデパートが我が家の目の前にあったから、デパートが毎日の遊び場であったが、やはり札幌のデパートと帯広のデパートでは雰囲気がまるで違っていたのである。
かつて田舎の子(帯広の都心から離れたところに住んでいる子の意味)が中心街に行くことを「まちに行く」という表現を使っていた時代があったが、私にとっては札幌のデパートに行く事が「まちに行く」ことだったのだ。
当時は「まちに行く」時はチョットお洒落をして出掛けたものだった。普段着ではまちに来なかったのである。それぐらいデパートは「ハレ」の場所だったのだ。だから「晴れ着」で出掛けたのである。
個人的な嗜好でいえば、当時(40年ほど前)北海道のデパートでマジック売り場があって、しかもディラーといわれる実演販売員がいたのが唯一丸井今井だけだったのである。小遣いを貯めては、休み毎に札幌に行ってマジック用品を買うのがとても楽しみだったのだ。
札幌はつい先日、すすきの「ヨーク松坂屋」が閉店したばかりだし、最近では駅前の「そごう」がビックカメラに替わっている。
百貨店の経営は難しい時代になった。
ネットショッピング等が流行れば益々厳しくなるだろう。時代の流れとは言え恐ろしいものだ。
帯広は地方百貨店で唯一残っている藤丸が健闘している。帯広市民がもっと藤丸を盛り立てなくてはならない。帯広からデパートが無くなったら商店街はお終いだ。
便利さや安さだけを追求していったら、結局最終的に損をするのは市民なのだから・・・。