一つ目は、一人の青年が私が新聞に載った記事を見て是非ともマジック資料館を見てみたいと思い訪ねて来てくれたことだ。
話を聞くと青年は現在は札幌在住だが、帯広の出身であるという。その帯広にいた10歳頃の今から30年ほど前に、私に手品を習ってから病み付きになったというのである。
正確には私が大学を卒業したのは1980年(昭和55年)であるから29年前になるが、父が経営していた当時のサニーデパート(現坂本ビル)の一階の一角にマジックコーナーを設置して、マジックの道具を販売していたことがあったのだ。
父の猛反対でプロマジシャンになる道は閉ざされてしまったのだが、強引に帯広に連れ戻したのを可哀想に思ったのかマジックコーナーを設けることは認めてくれたのである。マジックコーナーを設置できたお陰で、マジック用品や道具の購入の為に度々上京することも出来たので幾分私の心も落ち着いたのであった。
その青年は10歳というから小学校4,5年生の頃にそのマジックコーナーに通ってきては私からマジックを教わっていたというのだ。
マジックコーナーはその後本業が忙しくなってしまい2年程で閉めてしまったのだが・・・。
先日もマジック教室の生徒さんから、昔、あのサニーデパートのマジックコーナーで道具を買ったのだと言われるととても嬉しくなったものだ。
わざわざ、札幌から訪ねて来てくれるとは嬉しい限りである。
もう一つは、去年の秋から毎週一回、3人の帯広畜産大学生にマジックを教えているのだが、この春からは大学にマジック同好会を創設したいと言って2人の新人を連れてきたことである。同好会として大学側に認めてもらうには最低5人のメンバーが必要だとのことなのでその要件を満たしたことになる。後は4月に新入生を勧誘して10人くらいの体制で運営したいというので、これまた嬉しい話だ。
マジックという趣味は、万国共通のものでコミュニケーションツールとしては最適のものだと思っている。皆、器用でなければ出来ないと思って敬遠するようだが、器用さはそんなに重要な要素ではない。
指先を使うことで脳みその老化を防ぐ効果もあるらしいし、マジックのタネを考える時には逆転の発想法を使うから脳みその活性化にもつながる。マジックは老若男女を問わずに楽しめる趣味だと思う。
4月からは「勝毎アカデミー」で「かんたんトランプマジック教室」も開催する。先週募集を始めたばかりなのにすぐに20人の定員が埋まってしまう人気の高さだ。
これに気を良くして今後は、帯広に同好の士を増やしていこうと思う。