日本人選手の片山晋呉が頑張っているので応援したくなったからだ。結局は首位と2打差の10アンダーで単独4位に終わったが、日本人選手の過去のマスターズの最終成績と比較しても伊沢と並んで4位というのは立派な成績である。
観戦途中から、48歳10ヶ月のケ二ー・ペリーを応援し出した。私よりも3歳若いだけの中年の星である。優勝したら二クラウスの42歳というマスターズの最年長優勝記録を塗り替える記録になる。
ケニー選手は16番のショートホールであわやホールインワンというスーパーショットでバーディを取り2位に2打差をつけた時には優勝は決まったと思ったのだが・・・。
それにしても、これだけのベテラン選手にしてさえもマスターズというのは重い大会なのだろう。17番からケ二ー選手の身体のリズムがバラバラになってきたのが傍目にも判る打ち方に急変してしまった。
きっと優勝を意識して身体が固くなってしまったのだろう。
17番で寄せを失敗してボギーにしてしまい13アンダーに後退、先にホールアウトした34歳のキャンベルは12アンダー、一緒に最終組で回っているアルゼンチンのカブレラも12アンダー。ケニー選手はパーで上がれば優勝なのにここもボギーにしてしまい3人同スコアでサドンデスのプレーオフになってしまった。
ここからが面白かった。
お腹が出っ張ったおデブ3人によるプレーオフである。
プレーオフは18番ホール。カブレラのティーショットは林の中、しかも正面が大きな木でグリーンは直接狙えない、絶体絶命のピンチである。ここでカブレラ選手脱落か?と思ったのだが、横に出さずに果敢に狭い隙間を狙って打っていった。木の枝にぶつかったようだが何とかフェアウェーに出ただけ。
ケニー選手はフェアウェーから第二打を打ったが、相変らず身体のリズムがバラバラ状態でグリーン手前の右のガードバンカーのこれまた手前にショートした。ボールにしっかりクラブが当たっていない。
こうなると最後に打つ34歳の若いキャンベル選手が俄然優位に立ったと思ったのだが・・・、彼もフェアウェーから第二打を打つのだがこれまた緊張からかケニーが打った方向の右のガードバンカー内に入れてしまった。
絶体絶命のピンチにいたカブレラが2人のセカンドショットを見て息を吹き返す。第3打をピン横2メートル位に寄せたのだ。
ケニーも寄せを20cmくらいにピタリと寄せて、お先に!と入れてまずはパー。
キャンベルもバンカーショットを約1.5メートルに寄せた。カブレラがパーパットを入れ、キャンベルは外した。3人の内まず若いキャンベルが脱落したのだ。
2人でプレイオフ2ホール目の10番ホールに向かう。ティーショットはカブレラが先に3番ウッドで打ってフェアウェーセンターにナイスショット、ケニーはドライバーでナイスショットするが、3番ウッドのカブレラよりも飛んでいない。
ケニーのセカンドショットはまたまたリズムが悪くてグリーン左にひっかけて大きく外してしまう。一方カブレラは4メートルほどにナイスオンして決着がついた。
ケニーの自滅とカブレラの強運という感じの終わり方であった。
プロはバーディを狙いにいくからボギーを打つのだ。最初から安全にパーを狙っていけばバーディがくるのだ。なんてなことをよくしたり顔で言うけれど、この日の17・18番のケニーは、きっと頭の中が真っ白になるほど緊張したのだろうなぁ^。後から「俺は一体何てもったいないことをしたのだ」と悔やむだろうなぁ〜。
とにかくテレビで見ていても、とても面白かったマスターズであった。それに、ゴルフはデブでも上手くなれるという見本みたいなゲームであったことは私にもおおいに希望を与えてくれた。