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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2009-05-21-Thursday 勝毎「論壇」原稿

十勝毎日新聞5月11日(月)掲載の「論壇」原稿

「十勝の風景と写真」坂本和昭

十勝には、著名な写真家が大勢いるし、この勝毎紙面にもアマチュアカメラマンの作品が度々掲載されて、私たちの目を楽しませてくれている。それが、4月17日付けの勝毎に『帯広市が昨年12月から募集している「キラッと帯広!景観百選」の第二回の応募状況がゼロ件と低調である』という記事が載っていたので、私なりに感じたことがあった。

それは、十勝の風景は写真やビデオには向いていない!ということだ。広過ぎてレンズの枠内に収めるのが難しいのではとずっと思っていたのである。もちろん、それを枠内に収めて表現するのがカメラマンの腕の見せどころなのは百も承知の上でだ。

どこの地域でも風景写真のコンテストなどを開催しては、自分の暮らす場所の美しさを住民に知ってもらおうとか、観光客を呼ぼうとしている。でもそれらの写真を見て感じるのは、どこの風景も似たり寄ったりであまり代わり映えがしないということである。

建物や人物や動植物なら別であるが、十勝の風景の特徴は「写真に写せない」広大さではないかと思っているのだ。

同じ北海道でも美瑛や富良野などは近くに丘陵があり、被写体としてはとても表現しやすい場所だと思う。しかし上士幌のナイタイ高原牧場から下界を撮った写真などは、プリントしてみると一体どこを写しているのかよく判らない写真になってしまう。

「この位置に立って、この角度から写すと上手く写せますヨ!」みたいな案内書や人工的被写体があっても良いかもしれないし、逆に、写真のサイズには切り取れない場所ですから実体感して下さいとか、写真には残せないから思い出として身体に覚えさせて下さい的なキャッチコピーでも作って、他所とイメージの差別化をしてみるのも一案だろう。

同じ観光用ポスターでも一般的な形ではなく、横長のパノラマ型サイズにして特徴を出すとかの工夫の仕様もあるのではなかろうか。

十勝には、「モール温泉」や「ばんえい競馬」など唯一という素材があるのに戦略的な情報発信の仕方がイマイチだから、知らない人の方が多いというモッタイナイ状況になる。ただ正攻法で他所と同じことをやっていても、この十勝の特殊さを表現することは難しい。だから奇抜なことをやれと言っているのではない。一度、逆転の発想で逆立ちでもして眺めてみるくらいのことをやってみたらよいのに・・・。

十勝にとって観光は重要な収入源になる可能性を秘めているのだから。