土曜日の午前中にテレビをつけていたら、情報番組で銀座にフランスの宝石店「モーブッサン・ジャパン」がオープンして、開店記念に先着5000人に無料でダイヤモンドを配ったというのが流れていた。
フランス人の社長が流暢な日本語でインタビューに答えていたが、ハッキリ言ってこの社長はマーケットリサーチをまともにやっていないなぁと思った。
並んでいる日本人から怒声のクレームの嵐なのである。曰く「サッサと配れ!」と言っているのだ。
店側にしてみれば、1粒5000円相当のダイヤを無料で配るのであるから、街頭でポケットティッシュを配る様な訳にパッパッとはいかないだろう。無料で配ったダイヤをこの店で指輪やペンダントなどに加工(勿論有料)してもらいたいから、1個ずつ配りながら、客に加工の説明をするのに3〜5分程度は掛かるのである、だから一人一人に時間が掛かるので並んだ客は列が進まないからイライラしたのだろう。
並んだ若い女性客の暴言をテレビで放送していたが、ハッキリ言ってここに並んだ只でダイヤを貰った客は、貰っただけで加工等はしないだろうと思う。
それにも増して、高級な宝石を買おうという上客は、この店には買いに行かないだろうなぁと感じた。つまり、このオープン戦略でイメージを悪くし過ぎたのだ。この店は初日から、高級品を買う上客をも失ってしまったのではないだろうか?
これは、おおいなる戦略のミスである。
おそらく、5000円相当のダイヤモンドを無料で配れば話題になってテレビ局が取り上げてくれるとでも思ったのだろうが、逆に話題になったが為に完全に裏目に出ることになるだろう。
この戦略を考えたスタッフはそもそも日本人をバカにしているのではないだろうか?
只でダイヤを貰う為に恥ずかしさも感じずに並ぶ客層と、銀座で高級宝石を買う客層とを全部ゴッチャにしてしまっている。この超おバカな戦略でオープン初日にして両方の客層を同時に失ってしまったことだろう。
この店は早々に撤退するだろうなぁ〜。何ともアホらしいマーケット調査と戦略である。(6日10:50記)