あれだけの選手を集めてもらえば、監督が原でも勝って当たり前だが、日ハムはまことに残念であった。何といっても第五戦終盤の8・9回が分かれ目だったなぁ。好投の藤井を代えてしまったのが梨田監督の最大のミスだった。長期戦のペナントレースと短期決戦では戦い方が異なるのに、パターン化した戦い方をしてしまった。短期決戦では調子の良い選手を使わなければならないと思うのだが・・・。中日の落合監督も同じ様にかたくなに俺流でペナントレースそのままの戦い方をするが、短期決戦では勢いと運が重要なのだ。長期戦のデータは忘れた方が良い。
第五戦を勝って、ホームグランドに戻っていれば第六戦の戦い方はまた違ったものになっていたろう。第六戦の日ハム選手は焦りが見えていた。追い込まれて、窮鼠猫を噛むぐらいに開き直ってしまえば、まだ良いのだが、中途半端な心理状態で自滅していったように見えた。
第五戦の巨人の亀井と阿部の9回には開き直りがあった。中途半端な緊張が身体を硬直させてしまう経験は私にもあるから良く判る。勝負事は観客として見ていれば、岡目八目だが、渦中に入れば冷静な判断が難しくなるのだろう。第六戦の稲葉が「俺が何とかしなければ」という焦りの心理状態で全く身体が動いていなかったのがそれを象徴していた。
大リーグのヤンキースの松井はこれで最後だからと開き直ってMVPまで獲得した。心理のギヤの切り替えは難しいものだ。