一緒に映画を見に行こうと妻が言う。私は「2012」が見たいと言ったら、妻が「あんなもの見たくはない」「予告編をチラッと見たけど地球全体が終わるなら無理して生き残ってもショウガナイじゃないの!」「どうせノストラダムスの大予言なんかと同じ嘘八百なんじゃないの!」と強い口調で言うのだ。
そういえば、その昔、妻と同級生だった高校1年生(1973年)の時に「ノストラダムスの大予言」という五島勉が書いた本が大ベストセラーになったことがある。16世紀初頭のノストラダムスという予言者が「1999年7の月に、空から恐怖の大王が降ってくるだろう・・・」という地球の滅亡を表現した四行詩があるとのことで、世の中の不思議な事に関心が高かった私は、夢中になって読んだものだった。
その後私は26年間も関心を持ち続けたのに、この予言は当たらなかった。当たらなくて良かったのだが、何だか拍子抜けしたのだ。
確かこの本を元に映画が作られたとも記憶している。それほどの大ブームだったのだ。五島勉はこのノストラダムス本で一体いくら稼いだのだろうか?本当に人騒がせな野郎である。
「2012」もマヤの暦が2012年12月21日までしかないからこの日に地球が滅亡するというトンデモ本の類から作られた映画らしい。こんなものは見てもショウガナイというのは私も納得出来るので、「じゃぁ、何を見たいんだい?」と聞いたら「イングロリアス・バスターズ」だと言う。クエンティン・タランティーノ監督でブラッド・ピット主演の面白くなかったら入場料を返還すると宣伝している奴である。
映画館で見た予告編ではあまり面白そうではなかったので気が進まなかったが、今日は「いい夫婦の日」だから大人しくして妻には逆らわずにおこう思った。
映画は妻は「シリアスなんだかコメディなんだか良く判らない不思議な映画だった」と評していたが、私にはまぁまぁの面白しろさではあった。ショシャナ役のメラニー・ロランは若かりし頃のカトリーヌ・ド・ヌーブに似ていて私好みの女優である。ナチスSSのハンス・ランダ大佐役のクリストフ・ワルツは実に良い味を出していた。この映画は彼でもっていると言っても過言ではないと思う。
映画を見終わってから?何だか妙な???の感じが残ってしまった。まぁ、所詮映画はエンターテインメントだから許すとするか!
自宅に戻ると「今日は9時からテレビドラマのJIN-仁があるから食事が終わったらすぐに温泉に行くわよ!」と言う。今日の休日も妻のペースで一日が終わるようだ。