12月7日(月)の十勝毎日新聞の3面には私の書いた「かちまい論壇」の文章が、25面には記者が書いた囲み記事である。一日に同じ新聞に大きく2箇所も掲載されたのでインパクトはかなりのものがあるだろうと思う。以下に私の「論壇」の文章を掲載する。
「馬鹿もん」
「馬鹿もん」は「うまかもん」と読ませる。文字通り「馬肉(さくら)」と「鹿肉(もみじ)」を使って作る新しいご当地グルメの企画だ。
エゾシカは害獣として駆除されているがその肉はあまり消費されていない。鹿肉はフランス料理では高級食材なのに、日本では獣臭いというイメージが定着して、喰わず嫌いで敬遠されているようだ。一方の馬肉も九州の熊本では馬刺しが名物料理だし、東北地方ではお祝い事に使う肉だが、十勝は日本一の産地なのに地元ではあまり食べられてこなかったのが現状だ。この喰わず嫌いを直すためには、インパクトのある「動機付け」が必要だと考えた。
「馬鹿もん」をのぼりにして街に並べたら強烈なインパクトがあるだろう。これを「うまかもん」と読ませるところに妙味がある。
このプランは7年ほど前に「北の屋台」の名物料理にしようと発案したが、当時の北の屋台の店主たちは自分の屋台を切り盛りすることに手いっぱいで、この企画には乗ってこられなかった。以来、事あるごとにこのプランをさまざまな場で提唱してきたのだが協力してくれる人が現れなかったのである。
今年夏にJCメンバーが北海道の地産地消のアドバイスが欲しいと私を訪ねて来たときに、この話をしたら興味を持ってくれた。しかし、頭の中だけで創作したものだから味を確かめるために北の屋台の卒業者でイタリアンレストラン「タベルナ・センナリ」を経営している東成人シェフに依頼して試作してもらったら、これが実においしかったのだ。
「のぼり」の文字も八重柏冬雷先生にお願いした。話はトントン拍子にすすんで来年4月1日(四月馬鹿)のスタートを目標に「馬鹿もん認定委員会」設立の準備に入ったのである。
もともと高級食材なのだからまずいはずがないのに、これまで食べられなかったのは「動機付け」が足りなかったからだと思う。だから「ねぇねぇ馬鹿もん(うまかもん)て知ってる?食べてみた?美味しいわよ〜!」「じゃぁ、話のタネに食べてみようか」と口コミで伝播する仕掛けを施すのだ。これが成功したら単品での消費につながる可能性もある。
馬肉・鹿肉を使った料理ならOKだから、丼・ハンバーグ・ソーセージ・ギョウザ・まんじゅう・ミルフィーユカツなど、メニューもバラエティに富んだ料理を楽しめる。「ゆるキャラ」を作ったり、「馬鹿もんはヘルシーでしかもうまい!」のようなキャッチフレーズを考えたり、楽しい作業はまだまだこれから続くのである。