我が社の東側にある小さなプリンス劇場で上映している、箱根駅伝を題材にした映画である。かなり混んでいて40人くらいは観客がいた。
最近は年のせいなのか、涙もろくなっているようで、途中何箇所かウルウルしたところもあったのだが・・・。
映画はフィクションであるから文句をつけるのはオカシナ話なのだが、実際に存在している箱根駅伝を題材にしているのだから、もう少しリアリティがあっても良いのではないかと感じた。
私の母校の駒澤大学は駅伝の強豪校であり、十勝支部には箱根駅伝を実際に走った陸上部の出身者が2名もいる関係で、以前に森本前監督を招聘して講話していただいたことがある。その熾烈な練習を聞いていたので、この映画の設定はありえないと感じたのだ。
9区で区間新記録(単なる区間賞ではない、新記録である)を作るような1年生が、有名校からスカウトされないわけがないし、そもそも陸上部が無いような大学に入学するはずがない。走りの素人たち10人(内2人は選手だったが)がたった半年の訓練で箱根駅伝の予選会を通過して本戦に出場できるなんていう設定は、駅伝の出場校に対してとても失礼な設定だろう。
しかも、監督もコーチもマネージャーもいないし、それにもまして選手が補欠もいない10人丁度だけなのはありえないことだ。映画的にはその方が面白いのだろうが、私にはリアリティがゼロになってしまった。
まぁ、映画にはドキュメンタリーという手法もあるが、この映画は単なるエンターテインメントとして評価するしかないのだろう。
見終わってから不思議な感覚に陥ってしまった映画であった。