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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-02-20-Saturday 新北海道総合計画

札幌で会議があった。

平成20年度(2008.04〜)から始まった北海道の概ね10年間の産業・生活・交通・環境などの指針「新・北海道総合計画」を策定した「北海道総合開発委員会」のメンバーの一員なのだ。

その計画策定に当たっては、その2年程前(2006年頃)から毎月の様に札幌に通って案を練ったのである。

その後も計画を作りっぱなしではなく、1年に2〜3回は集まって進捗状況などを監視するメンバーにもなっている。

昔とは違って、現在のこの種の委員というのは、ほとんどボランティアで活動しているようなものである。旅費はもちろん実費しか出ないし、報酬ももちろん会議に掛かった時間分だけしか出ない。私のように札幌から離れた地域から参加している委員は移動に掛かる往復の時間などは報酬の対象にはならないのだ。だから私の場合は往復に掛かる約6時間という時間はある意味モッタイナイ時間になるのである。それでも北海道民の生活を良くすることに奉仕できれば幸せなことだと考えて出席しているのだ。

だが、会議の開かれる札幌近郊の委員と、遠く離れた地域の委員とではその時間的負担に大きな差があるのが現状である。私の場合なら2時間の会議に出席するのに一日を消費してしまうのである。

北海道は他の都府県に比べて面積では圧倒的に広いのだから、遠隔地の委員に対する配慮というのが必要ではないかと思うのである。札幌近郊の人間だけで計画を作る訳にはいかないのだから。

愚痴はこれくらいにして、話を計画に戻そう、計画が出来上がった平成19年末当時とは、取り巻く社会情勢が著しく変化してしまった。

まずは新計画がスタートしてすぐの2008年9月末にアメリカのリーマン・ブラザーズが破綻して、いわゆるリーマンショックといわれる世界的な恐慌が起こって世界の経済情勢が著しく悪化した。

日本では2009年秋に政権交代が起こって、政治情勢がこれまた著しく変化した。

2008年からの概ね10年間という期間の計画であるが、初年度からこんなに情勢が変化したものはこれまでにもないだろうと思う。

新しく生まれた民主党政権はいわゆる「都市型政党」であるから、北海道のような僻地の、しかも他の都府県とは大きく条件が異なる地域では、新政権の政策はなかなか合致しないと考える。

特に、高速道路の無料化政策によって、バスや鉄道などの公共交通機関が打撃を受けて、路線が縮小されたり廃止されたりしたら、それこそ道民の足が奪われてしまいかねない。北海道は急激に少子化・高齢化しているから、自分で自動車を運転できない人は移動もままならなくなる。そこに民間企業の問題ではあるが、JALの破綻が重なって飛行機のHACが無くなったりしたら・・・。ますます、札幌への一極集中が進んでしまうだろう。

この広大な北海道は、日本の他の都府県とは条件が大きく異なるのだから、もっと独自の施策を取らなければならないと考える。

せっかく北海道から初の総理大臣が誕生したというのに、その総理大臣が北海道の置かれている状況を全く理解していない人だとしたら、それこそ北海道の悲劇である。