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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-02-24-Wednesday 文化の経費

先日のニュースで、

北海道の高橋知事が、道立美術館が藤田嗣治の絵画を購入することにクレームを付けて、ご破算になったという記事が載っていた。

北海道は税収も落ちており、経費の削減に務めているのに、高額な絵画を購入しては、道民の支持を得られないと判断したというのだ。

美術館の予算は北海道の他の予算とは別個に計上されているもので、北海道の予算とは直接に関係しないという。つまり、この作品を購入するのに、他の予算を削るとかをする必要が無い予算だということである。

コレクターの一人として言わせてもらえば、美術品に限らず「掘り出し物」というのは出会った時が「買い時」で、それを逃してしまうと、再び目の前に現れることは少ないものなのだ。

「これは掘り出し物だ!」と思ったら、多少無理してでも買うのがコレクターなのである。逆にだからこそコレクターだと言えるのだ。

確かに不況の世の中である。道民の生活は厳しい。そんな時に高価な美術品を買うなんてという非難が出てくるのは当然のことだろう。しかし、果たしてそれだけで良いのか?

最近は、文化もスポーツも不況に右ならえして、予算も縮小されている。文化やスポーツを縮小させたら、国民の意気はますます下がってしまうのではないだろうか?

美術品は腐るもではなし、保存をしっかりしていれば逆に価値が上がるものでもある。

世間の目を気にして、購入を止めさせるのは、美術館の学芸員に対して失礼だろうと思う。購入予算の範囲内でなら、その学芸員が良いと思った作品を購入すれば良いのだ。北海道ゆかりの画家の作品を集めるのは、道立美術館の立派な仕事であると思う。芸術的な観点より、世間の評判を気にしたのは知事選挙が近いからだろうか?

それなら、高橋知事にはがっかりするぞ。

為政者は今現在だけを考えるのではなく、未来の為に有効にお金を使ってもらいたいものである。