「QED河童伝説」高田崇史著(講談社文庫)である。
札幌駅近くの本屋で文庫本の新刊が平積みされていて、たまたま目に留まったのだ。
私は、趣味のマジック研究が高じて、世の中の「不思議」なもの全般にとても興味がある。しかも歴史もミステリーも大好きときているから、こういう類の本は是非とも読んでおきたい本なのだ。
この本の作者の高田崇史氏の本を読むのは初めてであるが、夢中になって400ページを読み切った。昔から本好きが高じて本を読むスピードが速いのである。いわゆる速読法というものだ。丁寧に一字一字を拾ってじっくり読む箇所と、ページを開いた瞬間にほぼ内容がスッと入ってくる読み方を使い分けて読んでいる。
世の中の「不思議」を研究していると、「龍」「鬼」「河童」「伝説」などがとても気になる存在なのである。
この「河童伝説」は多少、こじつけっぽいなぁと感じるところもあるが、総じてとても面白い本であった。
私は、一作読んで気に入ると、その作者の同じ傾向の作品を全部読みたくなる癖がある。
学生時代には、半村良のSF伝奇小説作品が気に入ってしまって、ほとんど読破したものだ。10年ほど前には高橋克彦の伝奇小説が気に入っていた。このところその伝奇小説の分野では、私をワクワクさせてくれる作品にお目にかからなかったのだが、この「河童伝説」を読んで高田崇史がすっかり気に入ってしまった。
巻末をみると「QED]シリーズで数冊、面白そうな本を書いているようだから、早速買って来て読破することにしよう。