«前の日記(■2010-05-01-Saturday) 最新 次の日記(■2010-05-03-Monday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-05-02-Sunday 氷上の新スポーツ

読売新聞2010年5月1日(土)北海道版「風向計」掲載

「氷上のシンクロに期待」

「シンクロナイズド・スケーティング」というスポーツをご存じだろうか?

16人の団体で滑るフィギュア・スケートの競技で、水泳のシンクロナイズド・スイミングとフィギュアのアイスダンスを融合させた、ショー的要素が豊富で見ていてとても楽しいスポーツだ。日本での認知度はまだまだ低いが、アメリカでは500以上のチームがあり、競技人口は8000人もいて人気が高い。

4月10・11日にアメリカのコロラドスプリングスのワールド・アリーナで、第10回世界選手権大会が開催され、日本代表チーム「神宮アイス・メッセンジャー・グレース(神宮IMG)」のキャプテンとして娘が参加した。

「神宮IMG」はスポーツマネジメントを学んだ荻田美環とスウェーデンチームで世界一を経験した星野有衣子が中心になって、世界に伍していけるチームを日本にも作りたいと設立した「グレース」と、既存の「神宮アイスメッセンジャーズ」とが去年の8月に合併し、全メンバーが揃ったのが12月という急拵えのチームである。同レベルの選手を16人揃えることが大変なのだ。

その新チームが猛練習を繰り返して今年2月に行われた全日本選手権大会で優勝し日本代表になった。世界を知る新しい人材の加入がチームを大きく変身させたのである。

娘は5歳からフィギュアを始め、大学でシンクロナイズド・スケーティングに出会い、去年までは別チームに所属していた。これまでも日本代表として世界選手権大会には参加していたが、私はこれまで娘の演技を生で観たことがない。今回初めて観戦し、すっかりその魅力にハマッてしまった。世界のトップレベルの演技は実に素晴らしい、優雅に滑るチームや新しい演出に挑戦するチームもあり、16人がシンクロして滑る様は感動的ですらある。

ショートプログラムとフリースケーティングの2種目を2日間で競うが、日本は出場23チーム中、ショート10位、フリー9位、総合成績で10位と大健闘。ショートもフリーもこれまでの日本代表チームのベストスコアを遥かに更新し、総合9位のUSA2にその差わずか1.88点まで迫った。贔屓目だが、会場がアメリカでなければ、日本が勝っていたと思う。今回の成績は世界の強豪チームと同じ土俵で戦えるレベルにまで成長したということだ。

事業仕分けでスポーツ予算が削られそうな気配だが、世界で競うスポーツはマイナー競技であっても日本を元気にする効果がある。日本人好みの余韻を感じさせる魅力的な競技なので今後ファンが増えることだろう。