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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-05-08-Saturday TRICK

映画「TRICK」を見てきた。

今日から封切りの新作「劇場版TORICK霊能力者バトルロイヤル」である。帰省中の大学生の息子と妻と3人で見て来た。

私の趣味はマジックだから、新聞のテレビ欄を見て、マジック・手品・奇術などの文字を見つけると録画しておく癖がある。

この「TORICK」というのも、テレビ朝日局系列で2000年の夏の夜中の番組で放送されたものを見て依頼のファンである。

主演の売れないマジシャン山田奈緒子役の仲間由紀恵を一目見た瞬間に、「この人は必ずブレイクするぞ!」と妻に予言(?)しておいたが、その通りになった。

それ以降は番組のコミカルさからか、徐々に人気が出てきて続編が次々と作られてきたのだ。

この「TORICK」の監督は「20世紀少年」と同じ堤幸彦である。どうやら、この監督は「新興宗教」に対して良い印象を持っていないのであろう。一貫して「新興宗教」の怪しげな教祖のトリックを手品だと看破して、笑い飛ばしている。

観客も声を出して笑っているが、マジシャンとしては少し複雑な心境だ。

観客にしてみれば、こんな単純な馬鹿馬鹿しいトリックになんぞ引っ掛かるもんか!と感じながら笑って見ているのだろうが、トリックというのは単純であればあるほど、逆に引っ掛かるものなのだ。複雑にする方が疑念が入り易いのである。

「新興宗教」の教祖たちも、恐らくそんなマジックや詐欺師の手口を勉強しているであろうことは想像に難くない。第三者的に、俯瞰的に眺めれば、この映画の様に笑い飛ばせるかもしれないが・・・。

この映画の中で道化師的な扱いである阿部寛演じるところの大学教授上田次郎でさえも、自称、霊能力者から「貴方を呪い殺してみましょうか?」と言われれば、「そんな馬鹿なことは無い」とは思いながらも嫌がるものだ。ましてや進んでその呪いを受けようなどという日本人は少ないだろう。なぜなら日本人は千数百年間近くも「言霊(ことだま)言葉には力が有り、言葉に発したことが現実になるという信仰」に支配されてきた国民だからだ。

「言霊」という言葉を知らない現代人でさえ、運動会などの前日に「明日、雨が降るかもしれない」などと口にしたら、「不吉なことを言わないでよ!縁起でもない!」と言う人が多いのだから・・・。

日本人のメンタリティにこの「言霊」はシッカリと根付いてしまっているのだ。

私も現代科学が万能だとは少しも思っていない。むしろ現代科学では解き明かすことの出来ないものの方が多いのではないかとさえ思っているのだ。

だが、逆に現代科学では目に見えないものを証明することが出来ないから、新興宗教はそこを巧みに突いてくるのだ。いわゆる「先祖の霊が祟っている」とか言って・・・。

以前にも書いたが、「先祖を恨むことはあっても、子孫の繁栄を望まない人はいない」と考える。ましてや「供養」と称して効果があるかないかが判明しない行為で、高額の金銭を要求するようなものがまともな宗教であるはずがないではないか。

宗教法人は税金も掛からないし、仕入れも不要の実体のないものを売るのだから正に「坊主丸儲け」である(羨ましい〜?)。

一緒に見た息子にも「最近は、新興宗教の勧誘が大学のキャンパス内でも行われているとの報道も多い、奴等は、最初は新興宗教とは名乗らずにセミナーや勉強会やサークルなどと称して近寄って来るから気をつけなさいよ」と言っておいた。

世の中が不安定になると宗教に頼りたくなるのが人情というものだろうが、金儲けしか考えていない奴等に、一生懸命に貢いで何になるというのだろうか?

きっと、堤幸彦監督は笑いの中に、そのことを訴えているのだろう。