«前の日記(■2010-05-18-Tuesday) 最新 次の日記(■2010-05-20-Thursday)»
 | トップ |  | ビル概要 |  | テナント構成 |  | 沿革 |  | アクセス |

観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-05-19-Wednesday 我が家の歴史⑥

アメリカ視察から戻ってすぐの、

95年2月21日に帯広で英会話学校をやっている浦島久さんから電話が入った。てっきりボウルダー市の関係の話だと思っていたら、「アメリカンセンターが主催する地球環境問題のセミナーの開催を帯広青年会議所でやらないか?」ということなのである。なんでも釧路青年会議所と交渉を続けてきたが、釧路JCが断わってきたのだという。4月30日に開催する予定で既に準備を進めているので受け皿を探しているのだという。お金は一切不要だとも言うのだ。

こんな有難い話が向こうから飛び込んで来たのである。みすみす断わるのはモッタイナイ話だ。

実はこの話には前段があって、94年の11月1日に、浦島さんからの依頼でマジックを演じる機会があった。見せる相手は、アメリカンセンターのデビッドソン館長と本堂藤昭副館長、それにアメリカ人女性作家のサラ・パレツキーさんである。サラ・パレツキーさんは女性私立探偵V.I.ウオシャウスキーが活躍するヴィクシリーズで有名な作家で91年にはキャスリン・ターナー主演で「私はウオシャウスキー(邦題)」という映画化もされている有名な作家だ。

この時にアメリカンセンターの館長・副館長の知己を得たことから舞い込んで来た話なのである。まさに芸は身を助くというやつだ。

しかし、青年会議所というのは組織で動いているから、年間スケジュールは三役会→理事会という段階を経て、2ヶ月前に決定されるのだ。

新しい事業をこれから入れるのは困難だ。地球環境問題のセミナーだから私が担当する4つの委員会の内の何処かの担当例会としてやれないかと考えたのだ。

すぐに臨時の三役会に諮ったら三役は皆やる気になったが、問題は理事会である。先の理事会で決議した事項を急遽、三役の考えで差し替えようというのだから、当然この問題は理事会で結構揉めに揉めたのだ。

組織論から言ったら三役の横暴と見えるからだ。しかし、何も悪いことをやろうとしている訳ではないし、費用の負担もない。

アメリカから3人の環境問題の専門家を招いて、同時通訳システムを入れての会議なのだから、恰好も良いし、市民向けにアピールできる良い機会なのだ。杓子定規に対応していたら釧路JCと同じになってしまう。ここはなんとしても開催に漕ぎ着けたいと思ったのだ。

幸いにも理事会の承認を取り付けて好評のうちに開催することができたのであった。

この地球環境問題セミナーの3人のアメリカ人専門家(D・H・ストローザ、P・C・エバンス、J・ハドソン)と通訳の富永氏を連れて、前日の29日に真冬の然別湖で歓迎会を開催した。どうやったら喜んでもらえるか考えに考えたのである。

然別湖は凍った湖の真ん中に氷上の氷で造った温泉があるし、氷で造ったバーもある。こんな自然環境はアメリカにだってそうはないだろうと考えたのだ。これがアメリカ人には最高に喜んでもらった。

氷上の氷の温泉に皆で浸かって身体を十分に温めてから「テンプラ〜」と叫んで裸で氷の上を転げ回って雪を天麩羅の衣に見立てるのである。この温泉の温度は44度程もある高温だから、これぐらいやって丁度良い湯加減になるのだ。まさに裸のお付き合いをした訳である。

この当時は地球環境問題に対する認識が現在とは比べ物にならないくらいに低い時期だったので、この地球環境問題セミナーはまさに時期も内容もピッタリのものだったのである。

まるで神様が後押ししてくれているような感覚になったのであった。(つづく)