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観光カリスマ
坂本和昭のブログ


■2010-05-29-Saturday 改題マイ・ヒストリー⑭

96年からTKLがスタートする。

95年中に青年会議所(JC)の次年度(96年度)の方針や体制が決まるが、その中に「国際環境大学構想推進特別委員会」という部署を特別に設けてもらった。これが「十勝環境ラボラトリー(TKL)」の基になるのである。

TKLはただ構想を提案するだけではなく。自分たちで実践してひな形を市民にみせようという試みなのである。

JCでの受け皿の基を作る一方で、文化科学高等研究院の山本哲士信州大学教授(当時)が、十勝を舞台にして「場所環境カー」を創るプロジェクトをやらないかと、日産自動車を口説いて資金を拠出させたのである。この資金を基にして「十勝環境ラボラトリー」を作ろうという訳だ。

6年間の期限付きの活動にして、この間に目立った実績をあげられなかったら解散するという約束でスタートしたのである。期限が限られているからこそ、6年間にやれることは全力を挙げて取り組もうという意気込みが生まれて、同時に9つのプロジェクトをスタートさせた。

①「国際環境大学公開講座」大学と名乗る以上は勉強をしなければならないから毎月1名の講師を招いて公開講座を通算80回開催した。

②「新聞紙上セミナー」JCだけで活動していたのでは拡がりがないから市民に活動や理念を知ってもらう為に十勝毎日新聞の土曜日の文化欄に「十勝の場所の意志に学ぶ」という1200字のスペースをもらって、招いた講師らからの提言を掲載する事業で429回連載し、三冊の提言集を発刊した。

③「環境童話製作」子どもたちに環境問題を知ってもらう為に、アイヌの伝承を絵本にして「おおかみのこがはしってきて」「イオマンテ」の2冊を出版。

④「場所環境カー」日産自動車と協働でガソリン以外のエネルギーで走る自動車の開発。⑤「場所環境住宅」早稲田大学石山修武研究室と協働で灯油以外のエネルギーで暖まる住宅の開発。

⑥「十勝川水系調査」十勝川をカヌーに乗って川の目線で故郷を眺める。熱気球に乗って鳥の目線で眺めてみる。

⑦「田園ライフスタイル」都市と田舎の関係性の再構築、夏のフィールドカフェや冬のスノーフィールドカフェにつながる。

⑧「食文化環境」十勝の食材を使った新しい料理の開発。

⑨「都市構想」中心街活性化としてTMO提案書の作成(この事業が発展独立して「北の屋台」になった)。

山本教授はTKLを発展させて「21世紀型の大学」を十勝に創ろうと言う。すなわち「十勝に暮らす住民全員が学生で、キャンパスは不要。スポンサーを見つけて金を出させ、プロジェクトを推進・成就させることでノウハウが蓄積され、地域力を高める」のが21世紀型の大学の姿だと言うのである。

95年度は私が井上理事長の名代として出席していた帯広市の「大学審議会」の方も、継続した方が良かろうと96年も引き続いて私が山本理事長の名代として出席することになったが、「公設民営方式」で新たに大学を新設するという方針でスタートした審議会であったが、96年になると帯広市側のトーンダウンが激しく、「既存の大学への支援」などということを言い出し、どうも雰囲気が怪しくなってきたのだった。(つづく)